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▲ 楽隊のうさぎ 中沢けい 
4104377015楽隊のうさぎ
中沢 けい
新潮社 2000-06

by G-Tools

「学校にいる時間をなるべく短くしたい」。小学生のときいじめられっこで、引っ込み思案になっている、中学新入生の・克久。ところが入学早々、ブラスバンドに入部することになり、朝から晩まで練習にあけくれることになってしまいます。先輩や友人、教師に囲まれ、全国大会を目指す毎日。戸惑いながらも、やがて音楽に夢中になり、生き生きとした自分を取り戻します。

ストーリーはありがちだけど、退屈ではなく、地味だけど、いい本でした。

小説どうこうより、個人的に、パーカッションがツボ!克久はパーカッションパートなんですよ。克明に、パーカスの描写をしてくれたのが、元吹奏楽部パーカッショニストとしては、嬉しかったです。

吹奏楽部の他のパートにある、華やかさや、ソロ争いの熱さなどとは縁遠く。ミスをすれば非常に目立つのに、完璧に打てれば打てるほど目立たず、「たたけば音が出るんだから簡単だろ」と、練習の価値も成果も認めてもらえない。それがパーカス。

吹く楽器の人からは、いつもちょっとだけ仲間はずれで、基礎練習がいじょうに暗くて。楽器の多さと大きさから、邪魔にされては肩身が狭く。演奏会前の準備は肉体労働。楽器運びに他パートの応援を要請するので、またしても肩身の狭いパーカス。

わたしは、吹奏楽部にいた、という意識より、パーカッションパートにいた、という意識のほうが強いぐらいです。うちの吹奏学部は、人数多かったので、パーカッションパートだけでもそこそこの人数がいたしね。他のパートと一緒に行動できる事があんまりなくて、パート内で争う必要もあまりないので、パート内で仲良く団結できるんだよね。地味だったけど、とっても特殊なパートでした。懐かしい!

克久が、基礎練で、気持ちが落ちつく、というシーンが好きです。

というわけで、皆さんにオススメという小説ではありませんが、個人的にツボだった本、でした。
| な行(その他の作家) | 01:20 | - | - |
■ 生首に聞いてみろ 法月綸太郎
4048734741生首に聞いてみろ
法月 綸太郎
角川書店 2004-09

by G-Tools

著名な彫刻家・川島伊作が病死した。遺作となった、娘の江知佳をモデルにした石膏像からは、首から上が切り取られ、持ち去られてしまう。これは、江知佳への殺人予告か?それとも、悪質ないたずらか?

法月綸太郎、10年ぶりの長編、という事で、素直に嬉しいです。(その割には読むのがだいぶ遅くなりましたが・・・)これは、完璧にフェアというわけではなかったけど、ちゃんと本格ミステリーでしたねー。久々に読みました。面白かったです。

前半は特にスリリングで、キャラもたっていて面白かったなあ。ぐいぐい引き込まれました。不思議な事に、やっと殺人事件が起きた中盤から、ストーリーが失速した感じがします。いわゆる中だるみ。一番大きな事件がおきて、さあこれから!というときに、中だるみした印象。不思議だ・・・。

謎解きが本格的に始まり、数々の伏線が収束していく終盤は、やっぱり面白かったです。ただ、わたしは、ついうっかり一番最初に提供された、最大の謎である、首から上が持ち去られたのはなぜか、という謎に予想がついてしまって・・・。まあ、あれだけしつこく、伏線が何度も何度も語られれば、予想がついた人は多かったと思うんですけど。

一番衝撃的な謎の伏線はできるだけ隠して、その他の謎の伏線はわかりやすく表に出して。そうしてくれたほうが、嬉しかったかなあ。真相を知ったときの衝撃を味わいたかったです。もちろん解けた謎はそれ1つだけで、真犯人だの、細かい謎解きだのはわからなかったので、うんうん、なるほど、と、終盤を気持ちよく読めました。

面白かったけど、2004年度このミス1位には???です。それほどの作品かなあ?本ミス1位には納得しますけど。過去の法月綸太郎シリーズのいくつかの作品のほうが、ずーっと印象が強いです。悩める作家・綸太郎のキャラにも、ロジック以外の物語の部分にも、もっと感情移入できたような気がする。トリックも、もう少しだけ派手で印象的で、謎解きの快感も大きかったような気がする。気のせいかな?待たされすぎて、ハードルが上がっちゃっただけかなあ?

これは昔の作品を再読してみなくちゃ・・・。確か、私が一番好きだったのは「頼子のために」だったと思います。実家にあるはずだから、年末年始に再読してみようかな。
| な行(その他の作家) | 22:43 | - | - |
■ 空の境界 奈須きのこ
4061823612空の境界 上 奈須 きのこ講談社 2004-06-08by G-Tools

4061823620空の境界 下奈須 きのこ講談社 2004-06-08by G-Tools

好き嫌いの分かれる小説だと思います。長い小説ですが、立ち読みで見分けがつきます。最初の数ページで「ダメかも」と思った人は、たぶんダメです。世界観も文章も独特なので、これにどっぷりはまれる人は、すごく好きだろうし、はまれない人は嫌いだろうと思います。とにかく殺人についてひたすら考える小説なので、明るくはありません。

この本の成り立ちを後から知ってみれば当たり前のことなんですが、キャラクターがやたらと、ゲームや男性向けマンガ的です。気づいたときには、笑ってしまったくらいです。普通にしか見えない、自然体の男性主人公・幹也がいて、そこに様々な魅力の女性が絡むんです。女性主人公の式は和服姿で、陰のある中性的な魅力の剣の使い手。魔術師の弟子である鮮花は、有名私立女子校の制服で登場。勝気な美少女で、妹でありながら幹也に片想いをしています。幹也の上司橙子も美人で、二重人格の魔術師で変人ですが、幹也にとっては保護者的な存在です。

交通事故による二年間の昏睡状態から生還した式は、その後遺症として一部の記憶を失い、この世のあらゆるものの死を視ることのできる「直視の魔眼」を手にいれます。幹也たちは、彼女を襲う数々の怪異と戦うことになります。また式は、自分の中の「殺人衝動」とも戦っていくことになります。式という存在自体の謎と、式の失われた記憶の中にあったはずの連続殺人事件の真相、これが物語の大筋です。構成が、かなり複雑なので、大筋を掴むだけでいっぱいいっぱいでした。なので、大筋を把握しただけで、ストーリーはどうあれ、オチはどうあれ、満足してしまった感じ。よく考えたら、アラはたくさんありそうですが、よく考えたくない感じ。うん。(ブギーッポップを思わせます。)

大筋と平行して走る小筋・・・式と幹也のラブストーリーの結末が、形としてはハッピーエンドなんだけど、悲しかったなあ。式は主役だけあって最初から最後までずっと可哀想なんだけど、幹也もかなり普通じゃないし、可哀想な人です。結局、現在の幹也が好きなのは、どのシキなんでしょうね?かなり曖昧に終わってました。式と織が混ざっていた式なのか、単独の式なのか、はじめに出会ったあの式なのか。できれば、幹也を好きだと感じている今の式の事を、ちゃんと好きであって欲しい…けど、幹也にはちゃんと好きとかは無理なのかな。



ぶっちゃけ、この本の感想を書くのは、私の手に余ります。っていうか余ってます。

というのは、解説によると、この本はコミケで公開された「ノベルゲーム」「月姫」から生まれ、初めは同人誌として発売されたものらしく、オタク文化の裾野の広がりの象徴のようなものであるらしいんです。私は、その辺りを全然知らないし、そういったオタク文化というか、現代のサブカルチャーというもの自体に、ついていけてないので。昔から、ついていきたい気持ちはあるんだけどねー。ついていけないまま、それははるか年下の人たちの物になってしまいましたとさ。

というわけで、「自分は、どこか、わけがわかっていないんだろう」という不安のようなものを抱えたまま、読み終えました。上下巻に分かれた、笠井潔のムズカシメの解説が、その不安を余計に強めてくれました。間違っても、ライトノベルにつくような解説ではありません。現代サブカルチャー論から伝奇文学史・日本史まで網羅した、れっきとした評論です。

でもまあ、そういう固い事は抜きにして、一応、個人的な感想を書きとめておこうと思いました。子供の頃好きだった「宇宙皇子」を思い出しました。私あれ、途中までしか読んでないんだよなあ。
| な行(その他の作家) | 13:33 | - | - |
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