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■ 寒椿ゆれる 近藤史恵
寒椿ゆれる寒椿ゆれる
近藤史恵

光文社 2008-11-21
猿若町捕物帳シリーズ第4弾。面白かったな〜。まだまだ続きそうで嬉しいです。

千陰の義母・お駒の妊娠から話は始まります。つわりがひどくて何も咽をとおらないお駒のために、何か彼女の喜びそうな、物珍しい食べ物を…ということで、一家は巴之丞のオススメである猪鍋を食べに、乃の字屋に出かけます。猪鍋は家族みんなの舌にあい、お駒も喜んで食べる事ができたのですが、その数日後、乃の字屋で事件が起こります。

今回の見どころは、何といっても、新キャラのおろくです。結婚もしておらず子もいない千陰は、もしお駒に男子が生まれたら、弟にあたるその子が、家を継いでもいいと思っているのですが、千陰の子に家を継がせたい父親は、お駒が出産する前に千陰を結婚させようと、見合いをさせます。そのお相手が、おろくです。ちょっと変わり者で、初婚にしては年が行き過ぎているおろくですが、千陰とは気が合う様子です。目が利き、頭も良く、度胸もある彼女は、事件の解決のためにも活躍します。千陰とは実にお似合いです♪さて、千陰とおろくのロマンスの行方やいかに?
JUGEMテーマ:読書
| か行(近藤史恵) | 01:25 | - | - |
■ 文盲 アゴタ・クリストフ
文盲 アゴタ・クリストフ自伝文盲 アゴタ・クリストフ自伝
堀 茂樹

白水社 2006-02-15

表紙に、自伝、と、書いてあり、それはその通りなのだけれど、この本では、彼女の人生の大きな節目になったであろう多くの事が省略されています。たとえば、終戦、結婚や出産、亡命するにいたった経緯、などがまったく描かれていないのです。タイトルどおり、彼女の人生の中の、読む事と書く事、そして物語を作る事に関係する部分だけが、抽出され、まとめられています。だから、とても冷静で淡々とした印象を受けます。それでもその中に、彼女の苦悩や憤り、そして、覚悟や決意がきちんと描かれていて、暗い本なんだけど、爽快な読後感でした。すごい人ですね。

印象的だった文章
今後も永遠にはかり知ることのできないのは、あの(スターリンの)独裁政治が東欧の国々の哲学・芸術・文学に対してどれほど忌まわしい役割を演じたかという事である。東欧の国々に自らのイデオロギーを押しつけることで、ソビエト連邦は東欧の国々の経済発展を妨げただけではない。それらの国々の文化とナショナル・アイデンティティーを窒息させようとしたのだ。(中略)自分の国が他国を不当に支配したことを、彼らは一度でも恥じたことがあるのだろうか。今後、恥じることがあるのだろうか。
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