2013.08.16 Friday
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ガーディアン (カッパ・ノベルス) 石持浅海 光文社 2008-08-21 |
グラニテ 永井 するみ 集英社 2008-07 |
愛しているから許さない。母と娘の物語。帯や紹介文を見て想像したほど、ドロドロとしていなくて良かったです。これは確かに、母と娘が1人の男性を巡って争う物語で、女の争いと、その心理描写に多くのページが割かれているけれど、そちらがメインではなく、本当は、親離れ子離れの物語でした。ほとんどの人が経験するその瞬間が、彼女たちにとっては、こんな風にドラマチックに訪れた、という物語でした。だから、読み終えてみると、意外と爽やか。自立した女性同士になった2人が、温かい関係を1から築いていってくれる事を願ってやみません。今すぐには無理でも、唯香がもう少し大人になったら、健全な意味で仲の良い母娘になれるのではないでしょうか。
万里はカフェのオーナー。夫に先立たれ、17歳の娘唯香と暮らしている。年下の恋人・凌駕との関係も順調だったが、唯香と凌駕が出会ったことで、歯車が狂い始める…母親と娘との三角関係を描く長編。
マルグリートの輪舞曲―クラッシュ・ブレイズ (C・NOVELSファンタジア) 茅田 砂胡 中央公論新社 2008-07 |
フットボール部のキアランがデートに誘った金髪美女は? ジンジャーが芝居に誘った「友人」とは? ジャスミンがあっさり誘拐された? ストーリーが絡み合う三話構成で送る中篇集。
ラブコメ今昔 有川 浩 角川グループパブリッシング 2008-07-01 |
金色の野辺に唄う あさの あつこ 小学館 2008-05-31 |
山陰の静かな山あいの町で、九十を超えた老女・松恵が息をひきとろうとしていた。看取るのは、松恵の曾孫で絵心を持つ中学生・東真、松恵の孫に嫁いだ元OL・美代子、近所の花屋店員・史明、松恵の娘で稀な美貌を授かり持った奈緒子。四人ともかつて松恵に受け止められ、救われた過去があった―。屈託や業を抱えながらも、誰かと繋がり共に生き抜いていくことの喜びを、晩秋の美しい風景の中に力強く描き出した連作短編集。 (帯より)しみじみとした、いい本でした。
人は、永遠に輝く星にはなれない 山田 宗樹 小学館 2008-06 |
医療ソーシャルワーカーの猪口千夏が迎えた新たなクライアント・西原寛治(87)は、妹の死を忘れ何度も病院に来てしまう独り暮らしの老人だった。弁当を届けてくる、デイサービスセンターの伊藤美春に密かに恋情を抱いていたが、彼女が担当替えでいなくなってしまった夜、寛治は意識障害を起こし錯乱状態になって入院してきた。千夏の尽力で、寛治は太平洋戦争のコタバル上陸作戦で共に戦った戦友の宮地と会うことになったが……。「誰も、永遠に輝く星には、なれない。わたしたちに許されているのは、消滅点に達するその瞬間まで、精いっぱい身を焦がし、光を放ち続けること」。大胆な表現を交えて描く、胸に迫る人生のラストシーン。ある老人の死をじっくりと描いた一冊。色々な事を考えさせられる、とてもとても良い本でした。ただ、詳しく感想を書くと、なんだか滅入ってしまいそうなので、今はやめておきます。
Amazonより
あねのねちゃん 梶尾 真治 新潮社 2007-12 |
他の人には見えないけど、自分には見える。玲香にもそんな経験がある。孤独で寂しかった幼い日、遊び相手だった「あねのねちゃん」。今はそれが想像の産物だと分かるが、当時は唯一の友達だった。ところが、失恋を切っ掛けに、OLになった玲香の前に、再び「あねのねちゃん」が現れた。ファンタジックに展開するあなたの友達の物語。ファンタジーだけどホラーでもある、でも心温まる癒しの物語。ホラーっぽい部分が意外と大きい部分を占めているのが、エンターテイメント性を高めていると思いました。そうじゃなかったら、こういう話って、あいたたって感じになりがちな気がします。心温まる、というより、暗く重く、になっちゃいますよね。この本は、いい感じのバランスで、好きでした。
ただいま 不知火京介 光文社 2008-09-20 |
名前探しの放課後(上) 辻村 深月 講談社 2007-12-21 |
名前探しの放課後(下) 辻村 深月 講談社 2007-12-21 |
「今から、俺たちの学年の生徒が一人、死ぬ。―自殺、するんだ」「誰が、自殺なんて」「それが―きちんと覚えてないんだ。自殺の詳細」不可思議なタイムスリップで三ヵ月先から戻された依田いつかは、これから起こる“誰か”の自殺を止めるため、同級生の坂崎あすならと“放課後の名前探し”をはじめる―青春ミステリの金字塔。うん、面白かったです。なんというか、主人公の思い込みの強さと青さ溢れる辻村節全開で、前半は読みづらい部分もありましたが、最終的には「なんだよ〜いいお話じゃんかよ〜」と感動させてくれました。スッキリ爽快です。そして、さすが辻村さんで、ラストにはどんでん返しもばっちり決まり、伏線もしっかり生かされていて、「やられた〜」という気分になりました。他の作品とのリンクも楽しませてくれましたね。
穂足(ほたる)のチカラ 梶尾 真治 新潮社 2008-09 |