2013.08.16 Friday
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時砂の王 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-7) 小川 一水 早川書房 2007-10 |
「戻れないんだ。俺たちは歴史を変更しすぎた。サヤカのいる時間枝は時の彼方に埋もれてしまった。再び彼女が生を享ける可能性は、億に一つもない。いや、そこにたどり着ける可能性がない。俺は……この俺が、俺でさえ、彼女を忘れてしまいそうなんだ」
「口を出すだけの主に何ができる?それで戦っていたつもりか?自惚れるな。これは妾たちの戦だ。主がおらずとも妾たちは生き、死んでやるわ!惑わしの魔女め、疾く失せろ!」普通のタイムトラベルSFでは、過去を変えてはいけない、歴史に干渉してはいけない、という点がしつこいくらい強調されますよね。でもこの本の場合、全編通して人類は常に滅亡の危機にあり、その最悪のシナリオを防ぐために、そんな事は言ってられない状況にあります。その感覚に慣れてしまって読んでいたら、ラスト付近になって「過去に介入してはいけない」的な、常識通りのセリフを言う人が出てきて、そんな所に私は、「ああ、人類は助かったのね!」と実感して、ちょっと可笑しくなりました。そこでかよ!とセルフつっこみしました。
100回泣くこと 中村 航 小学館 2005-10 |
実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだったのだ。いい人ばかりが出てくる、とてもいいお話で、そのいい人が亡くなってしまって、残された人が悲しんでいたので、わたしはあっさり泣けてしまいましたが、でも、あまり高い評価はできない感じ…。
4年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げた。
交際3年。求婚済み。年の差なし。ここが世界の頂点だと思っていた。こんな生活がずっと続くんだと思っていた―。精緻にしてキュート、清冽で伸びやか。野間文芸新人賞作家が放つ恋愛長編。
人形の部屋 (ミステリ・フロンティア 39) 門井 慶喜 東京創元社 2007-10 |
ぐるぐる猿と歌う鳥 (ミステリーランド) 加納 朋子 講談社 2007-07-26 |
プリズムの瞳 菅 浩江 東京創元社 2007-10 |
いつか、キャッチボールをする日 鯨 統一郎 PHP研究所 2007-10 |
九月の恋と出会うまで 松尾 由美 新潮社 2007-02-21 |
ミハスの落日 貫井 徳郎 新潮社 2007-02-21 |
メフェナーボウンのつどう道 古処 誠二 文藝春秋 2008-01 |
親切が迷惑に、労りが障りに、慈しみが仇になる撤退行とは……。終戦間近のビルマ。英印軍の前進に伴いラングーンの兵站病院はモールメンへ撤退が決まります。負傷兵や衛生兵と共に、陸路で撤退することになった、日赤従軍看護婦の静子が主人公です。実質350キロの行程を、敵機の爆撃を受けながら歩き続ける毎日。負傷者の世話をする事を崇高な使命と叩きこまれて務めてきた静子でさえも、恐怖心から、負傷者に目を背けるようになり、負傷が実は死者である事を確認すると安堵するようになります。
カレンダーボーイ 小路 幸也 ポプラ社 2007-11 |