2013.08.16 Friday
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小袖日記 柴田 よしき 文藝春秋 2007-04 |
上司との不倫に破れて自暴自棄になっていた29歳のあたしは、なぜか平安時代の17歳の女官・小袖の身体にタイムスリップしてしまった。中宮彰子の教育係である香子さまの元で働くことになったが、なんとこの香子さまは現在、あの「源氏物語」を執筆中、ということは「紫式部」であるらしい……。香子さまの片腕となって取材するあたしは、物語化された女たちや事件の意外な真相に触れることになる……。さらっと読めて、楽しい小説でした。最後の最後に、割と真面目なメッセージが訴えられているのも、爽やかでした。私は、源氏物語に関して、主人公よりさらに少ない知識しか持っていないので(っていうか、高校&大学で勉強したはずだけど…ほとんど忘れた(笑)、源氏物語について、大人の常識程度の知識は持って読めば、もっと楽しめたと思います。
カカオ80%の夏 (ミステリーYA!) 永井 するみ 理論社 2007-04 |
私は、三浦凪、17歳。好きなものは、カカオ80%のチョコレートとミステリー。苦手なことは、群れることと甘えること。夏休みに、クラスメートの雪絵が、書き置きを残して姿を消した。おとなしくて、ボランティアに打ち込むマジメな雪絵が、いったいどうして…?カレでもできたのか?気乗りはしないけれど、私は調査に乗り出した。ひと夏のきらきらした瞬間を封じ込めた、おしゃれなハードボイルド・ミステリー。ちゃんとしたYAでした!そして、ちゃんとしたサスペンス&ミステリーでした。(ただ、これがハードボイルドなのかどうかは、疑問)。永井さんって本当に有能!こんなのも書けてしまうんだなあ。どんどん引き出しが増えますね。
朝顔はまだ咲かない―小夏と秋の絵日記 柴田 よしき 東京創元社 2007-08 |
水底の森 柴田 よしき 集英社 2004-02 |
「もう森へなんか行かない」シャンソンがエンドレスで鳴り響くアパートの一室で顔を潰された男の死体が発見された。部屋の借主である高見健児と風子の夫婦は行方不明。翌々日、高見の絞殺死体が見つかるが、風子は依然姿を消したまま。刑事・遠野要は、風子の過去を追ううちに、忘れ得ぬ出来事の相手が風子であると気づき、烈しく風子を求め…。時間と距離を超え、繋がる謎。愛とは何か、人間性とは何かを真摯に問い掛ける、長編ミステリ。これは力作でした!とても読み応えがありましたし、長いのに、最後まで引きつけられる小説でした。さすが柴田さんです。