「2005年に初めて読んだ本」について書きました。2005年の新刊本のランキングではありません。それから、再読本についても含みません。2005年の自分の読書をふりかえる!というテーマです。
では。
1位「孤宿の人」宮部みゆき
よかったです。いい本でした。何度も何度も読みたい本です。多くは語るまい。
2位「容疑者Xの献身」東野圭吾
各賞を取れたり、取れそうだったりする事を、素直に喜んでいます。東野さん自身はそうでもないらしいけど、ファンとしては本当に、念願です。内容については、もう語りつくしましたが・・・長年、東野さんのファンをやっているので、客観的に評価をする事は、もはや不可能です。。。
3位「チルドレン」伊坂幸太郎
ミステリーの、短編・連作長編では、好きな作品に本当にたくさん出会えた年でした。
「れんげ野原のまんなかで」森谷明子、「十八の夏」「最後の願い」光原百合、「インディゴの夜」加藤実秋、「観覧車」「ふたたびの虹」柴田よしき、など、女流が粒ぞろいだった印象です。それらを全部おさえて、ランクインしたのが「チルドレン」伊坂幸太郎 。これは、はずせませんでした。
4位「ベルカ、吠えないのか?」古川日出男
古川日出男さんとの出会いも、今年の収穫の1つ。他の作品もよかったのですが、「ベルカ、吠えないのか?」のインパクトは強かったです。
「gift」「Love」の2冊の図書館本を抱えて、年を越します。
5位「クライマーズ・ハイ」横山秀夫
6位「天使の代理人」山田宗樹
この2つの社会派小説は、評判どおりの出来で、満足した本。たくさんの人に自信を持ってオススメしたい本。ただ、両方とも、内容が重いし、長いので本自体が物理的に重いし・・・読むのに気力がいるので、本当に本が好き、という人にしかオススメできませんが。
7位「ブルータワー」石田衣良
つっこみどころは満載で、完成度が高いとは言えない本です。でも、読んでいる間の充実感、物語に没頭してハラハラドキドキできた感では、圧倒的な力がありました。今年一番楽しかった読書かも。
8位「象られた力」飛浩隆
日本SF大賞も受賞して、私が語るべきことは何も残っていません。私は、この本の「デュオ」だけでも、2005年のベスト10にランクインさせます。私好みな上に、巧妙なプロットといい、文章の美しさといい、完成度も高かった。
9位「オテルモル」栗田有起
今年はミステリー&SF&児童文学以外の作品を、ひさしぶりにたくさん読んだ年だったのですが、この本がそのきっかけでした。ジャケットが気に入って、たまたま手を出したらすごく素敵な本だった。芥川賞候補とか、純文学とか、苦手だと思っていたのですが、これからは好きになっていくのかも。わたしもやっと、大人になったのかな(笑)。
絲山秋子、大島真寿美、重松清、三浦しをん、川上弘美、といった方たちの本を、やっと読む気になったのも、この本が素敵だったからこそです。
10位「ユージニア」恩田陸
消化不良な印象もあるし、いまだにわけがわからない。でもそこが逆に良く作用していて、印象が強い。読んでいる間の不安感、浮遊感が忘れられません。ストーリーは未完成なのに、世界は見事に完結していて、不思議な本でした。
あらためて見直してみて、広く浅く読んでいるわりに、私はやっぱりミステリーが好きなんだなあ、と、再確認するランキング。
伊坂幸太郎、荻原浩の両名の作品に手を出したのは、今年の大収穫です。どちらも、名前だけは知っていて、売れているのも知っていたんだけど、きっかけがなくて読んでいなかった作家さん。ネットの読書仲間が出来て、オススメをいただいて読むことになりました。最初の一冊ですっかり気に入って、あっというまにコンプリートしてしまいました。2人とも、新作が出るたびに読まずにはいられない、大好きな作家さんになりました。オススメしてくれた皆さんに、感謝です。
それから、
小路幸也、石持浅海、米澤穂信、辻村深月、との出会いも嬉しかったです。作品として、これ、というものはランクインさせられませんでしたが、将来性にものすごく期待しています。出すたびにうまくなる作家さん。出すたびに、私の好きな世界を作ってくれる作家さん。近い将来きっと、傑作を書いてくれると思います。
ちなみに
直木賞予想ですが。基本的に図書館派なので、新刊本をあまり読んでいないのが致命的で、候補がほとんど頭に浮かびません・・・。でも・・・
おおかたの予想通り
「容疑者Xの献身」東野圭吾がくるのではないかと思います。何度も何度も候補になって、そろそろ取らせてあげないと・・・って感じですからねー。伊坂幸太郎も同じ感じですが「死神の精度」と「魔王」の、どちらが候補になるのか判断がつかない時点で、無理っぽいかなあ、という気がします。「死神〜」が直木賞、「魔王」が芥川賞でW候補になったらすごいよなあ、と、妄想はふくらみますが・・・。
対抗は
「ハルカ・エイティ」姫野カオルコ。個人的には、そんなに高評価ではない作品なのですが、なんだかんだ言って、直木賞は、文芸春秋が強いようなので。だったら、この本かな、と思います。
万が一、わたしの予想があたって、この3人のうちの誰かが直木賞をとっても、「あの作品でとれなかったのに、なぜこれで?」と、思うことでしょう。間違いなく。
さて、来年の読書予定ですが・・・。
森博嗣
貫井徳郎
柴田よしき
横山秀夫
重松清
新堂冬樹(黒)
このあたりは、まだまだ読んでいない本が残っているので、楽しみに読む予定です。
東野圭吾
宮部みゆき
北村薫
若竹七海
恩田陸
こちらは、ほぼコンプリートしていて、私の中では殿堂入りを果たしている作家さんたち。古い本から順に再読したいと思っているのですが、積読本と、図書館予約本に追われて、再読がなかなかままならず。ハードカバーで持っていたりするので、電車の中で読むには不向きだし。でも、なんとか来年は、この辺りの再読に力を入れる予定です。何度読んでも、好きだなあ、と、思える作品ばかりですし。
ブログに遊びに来てくれて、「本の好みが似ている」と報告して下さる方がたくさんいて、すっごく嬉しいんだけど。本当に大好きな作家さんの大好きな作品は、ブログをはじめる前に読んだものが多くて、ここに感想文はないんだよなー、って思うと、ちょっと寂しい気持ちになるし。
あと、もう少しノンフィクションに手を広げたいな、と、思ってます。実用書や、啓発本ではなくて、真面目なノンフィクションね。もういい大人なんだから、たまには真面目もいいと思うの・・・。
以上、敬称略、にてお送りしました。
それではみなさま、よいお年を〜!