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● 犬はどこだ 米澤穂信 
4488017185犬はどこだ
米澤 穂信
東京創元社 2005-07-21

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アトピーが原因で銀行員を続けられなくなった紺屋。学生時代に、犬探しのアルバイト経験があるから、という理由で、犬探し専門の探偵になろうと決めます。ところが、開業したとたん舞い込んで来たのは、失踪した美女探しと、古文書の解読、という、「本物の探偵らしい」仕事。昔から探偵に憧れていたというおしかけ助手のハンペーと共に、紺屋は二つの事件を調べ始めます。

二つの事件は、実はつながっていて、調査の過程でしばしば交錯します。読者にはそれがわかるのですが、登場人物は、紺屋が美女探し、ハンペーが古文書、と、担当を分けているので、そのことになかなか気がつきません。紺屋がその事に気がついたとき、真相が一気に明らかになります。

一ひねりも二ひねりもある展開、終盤のスピード感、読後の余韻。とても良かったです。ちりばめられた小さな笑いのツボも面白かった(オロロ畑とか…)。米澤さんを見直しました。続編希望します。
| や行(米澤穂信) | 11:25 | - | - |
▲ 最悪なことリスト トリイ・ヘイデン 
415208569X最悪なことリスト
トリイ・ヘイデン 入江 真佐子
早川書房 2004-05-19

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トリイ・ヘイデンの大人も読める児童文学。

里親から里親へと転々としてきた11歳のデイヴィッド。たった一人のお姉さんとは離れ離れになって、新しい学校に来た彼は、勉強ができないために1つ下の学年に落第し、吃音のせいでクラスメートからいじめられ、最悪なことのリストを、頭の中で作ってはいれかえ、作ってはいれかえする毎日です。

ある日ひょんな事からフクロウの卵を発見したデイヴィッドは、飛び級してきたクラスメート、年も身体も小さいけれど頭のよいマブと一緒に、その卵を孵化させ育てようとします。

新しい里親であるおばあちゃん、マブや、マブの家族との交流、デイヴィッドが生命や友情について学び、成長し、少しだけ自信をつける物語。

トリイのフィクションの中では、良かったほうだと思います。トリイのノンフィクションには負けますが、いいお話でした。「シーラという子」「ヴィーナスという子」など、トリイのノンフィクションはやっぱりすごいんだよね・・・迫力が違う!でも、やっぱり似たようなものを出しすぎて頭打ちだと思うので、しかたないかな、と。
| 海外 | 11:11 | - | - |
■ 格闘する者に○ 三浦しをん
4794209606格闘する者に○
三浦 しをん
草思社 2000-04

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マンガが好きだからという理由で、出版社への勤務を希望する、女子大生・可南子の就職活動を中心に、義母との軋轢や、政治家である父の跡目問題、脚フェチの老人との恋愛、2人の友人それぞれの恋愛、弟の家出など、などなどなど。様々な濃いキャラクターと、濃いエピソードが詰め込まれた、青春小説。

であるにもかかわらず、無理がない。ゆる〜い雰囲気で、ユーモアたっぷりで、さらっと読める本です。これは主人可南子の性格そのまま。多少、叩かれても、むかついても、泣いても、ちゃんと立ち直る。へこたれない。ちょっと精神年齢が低くて、常識も知らないんですけど、ユーモア精神を忘れない、好感をもてるキャラクターでした。

義母とのエピソードが好きだったなあ。とっても面白かったです。

でも、就職活動を本気でしている人たちは・・・この本を読むと、腹が立たないんだろうか。就職活動って、もっと、厳しいものじゃないんだろうか。やっぱり政治家の娘だから、考えが甘いんだろうか・・・。

・・・ここまで考えて、はっとして、著者略歴を見ました。ああ、やっぱり・・・先輩だ。あの大学なら、これもありですね。しかも、かぶってる!私が大学1年のとき、しをんさんは4年ですね。キャンパスですれ違った可能性は限りなく低いけど・・・。知らなかったなあ。

しをんさんの本をこれの前に2冊読んだのだけれど、どうも「今、若い女性に人気の作家である」というのが、信じられなくて・・・。デビュー作に手を出してみました。ちょっと納得しました。しをんさんの本、エッセイも含めて、順番に読んでいこうと思います。
| ま行(三浦しをん) | 22:45 | - | - |
■ スローグッドバイ 石田衣良 
4087478165スローグッドバイ
石田 衣良
集英社 2005-05-20

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石田衣良さんが描く、小さな恋の物語。粒ぞろいの10編です。

私が好きだったのは「線の喜び」「ローマンホリデイ」「泣かない」。

・線の喜び
主人公サツキは、才能あるアーチストの卵とばかりつきあって、いろんな面でつくして、編集者として彼らにチャンスを与えます。でも、彼らが世間に認められたときに、一気に気持ちがさめてしまう。そんな恋愛をくりかえしています。

この本の中では、彼女に一番感情移入できました。好きになる人のタイプも、うんうん、わかる、って思いました。ただ、私には才能を見抜く目はないけどね・・・。失敗するとわかってて、また同じパターンの恋愛を何度も繰り返してしまう。身に覚えがありすぎる。

・ローマンホリデイ
会うことを約束したメール友達の女性が、実は寝たきりのおばあさんだった、というストーリー。それを知った主人公が、どんな行動をとるかがポイントです。一番後味のいい小説でした。

何年か前、ネットが一般家庭に普及した頃に同じような物語を読んだ事があるような気が、しないでもありません。(出典はさだかではありません。もしかしたら、ハードカバーの同じ本かも。再読なのかも。)

・泣かない
恋人にひどく傷つけられて泣けなくなった女の子と、彼女を見守る青年の物語。彼がすごく優しい。いいなあ、こんな人、どっかにいないかなあ。

「フリフリ」や「夢のキャッチャー」も、やや男のロマンチストぶりや、男のセンチメンタルが、強調されすぎていて、引いてしまう部分はありましたが、爽やかで良かったです。

全体として、長さの割りにセックスシーンが多すぎて、ちょっとひきました。特に前半は、読むのをやめようかと思ったくらい(電車の中でしたし・・・)。けしてカマトトぶるつもりはありませんが、過剰なセックスシーンは、いろんな意味で邪魔ですよね・・・。
| あ行(石田衣良) | 22:37 | - | - |
■ いま、会いにゆきます 市川拓司 
409386117Xいま、会いにゆきます
市川 拓司
小学館 2003-03

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連続ドラマが終わったので再読してみた。もともと、初読のときから嫌いではなかった本。「泣かせる系」を酷評しつつ、毎回きっちり泣く私は、もちろんうるうるきましたよ。別れを予感した恋って、やっぱり切ないですよねー。それに、澪さんって、素敵な人!

原作、映画、ドラマ、と見たけど、これは映像化して成功だった作品だと思います。原作も、悪くないんですが、やっぱり映画はすごい!よく、あんなに美しい映画にしたなあ、と、感心してしまいます。ヒットするだけのことはあったんだなあ。

あ、ドラマはね。単なる映画の引き伸ばしだった。映画を見て、説明不足だよなあ、と、思った部分は改善されてたけど、やっぱり薄まってしまった感じ。それに、数少ないラブシーンで、絵の美しさも、演技も負けてた。私は、成宮君ってかっこいいなと思ったし、ミムラも竹内結子に負けてないな、演技もうまいなと思ったけど、それでも、ラブシーン限定で言えば、映画のほうが数段良かった。恋愛ものである以上、ラブシーンで負けたら、負けだよね〜。

この本は、嫌いではないけど、惜しいなあ、って思っています。文章が洗練されていない気がする。あ、違うなあ。洗練されてなくてもいいんだけど、安定していて欲しい。ストーリーは素敵だし、文章も難しくないんだけど、どうにも不安定な読み心地。わざとかなあ、とも思ったんだけど・・・。最近の市川さんの作品からは、こういう印象は抜けていっているので、やはり初々しさだったのかなあ、と、思います。
| あ行(市川拓司) | 01:14 | - | - |
■ 月神の浅き夢 柴田よしき
4048730924月神(ダイアナ)の浅き夢
柴田 よしき
角川書店 1998-02

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RIKOシリーズの第三弾。

一児の母になった緑子は、穏やかな幸せの中にいて、刑事をやめ事務職に移動しようかと考えています。そんな時、若くルックスのいい男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生。捜査に加わる事を請われた緑子は、この事件を自分の最後の事件にしようと決め、捜査をはじめます。

ミステリーとしては、一番よくできていたと思います。とても面白かったし、文章も読みやすかったです。義久とあんな風に和解できるなんて、緑子は強い、と、思う。大人だなあ、と、思いう。それに、女刑事としての緑子は、有能で、したたかで、やっぱりかっこいい。

そして、やっぱり、略奪愛は不幸だね・・・。浮気や不倫をする人は、それを何度も繰り返す。男でも、女でもね。倫理観や道徳観の問題なんだろうなあ。緑子と明彦の場合は、その部分が、ある意味合っている・・・でも不幸だね。
| さ行(柴田よしき) | 01:05 | - | - |
▲ 聖母の深き淵 柴田よしき
4048729667聖母(マドンナ)の深き淵
柴田 よしき
角川書店 1996-05

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「RIKO-女神の永遠-」の続編。

今は下町の所轄で、穏やかな日々を送る緑子の前に、親友の捜索を依頼する美女が現われます。彼女は、トランスジェンダーで、実は男性です。これをきっかけに、緑子は複雑で大きな事件に巻き込まれる事になります。

一作目では緑子の女性性ばかりが強調されていましたが、この作品では、警察官として、人間として、母として、など、色んな面が現われているように思います。そして、やっぱり明彦さんなんだーと、とりあえずは納得。

でも、事件そのものに関して言えば、ちょっと印象が薄いかな。一作目よりは、ずいぶん性描写や、暴力シーンが減っていて、それは良かった。
| さ行(柴田よしき) | 00:53 | - | - |
■ 真夜中の五分前 本多孝好
4104716014真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A
本多 孝好
新潮社 2004-10-29

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4104716022真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B
本多 孝好
新潮社 2004-10-29

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著者によると、恋愛関係ではなく、恋愛感情を描いた小説なんだそうです。なるほど、という感じ。主人公の「僕」が、どんな人間なのかつかみ辛いのですが、side-A の終盤くらいから、彼にどんどんひきつけられました。

というわけで、side-A は、よかったと思います。好きです。「あなたは五分ぶん狂っている」と言われてしまうような、ひねくれた感情表現をする「僕」。社会や他人と、少しだけずれて生きている彼が、かすみ、という女性と知り合うところから物語がはじまります。辛い恋をしているかすみを支えるうちに、「僕」にも変化がおとずれます。

色んな恋が出てくるのですが、どれもこれも切なかったです。ディティールや、会話が、都会的な雰囲気なのに、ストーリーがどこかバタ臭いというか、とても人間っぽい本でした。

side-B は、ちょっとなあ・・・。いくらなんでも、大人になった双子の見分けが、夫につかないなんて・・・というところで納得できなかったので、さめてしまった。それに、本気で好きになった相手が、2人とも交通事故で死ぬなんて、すごく可哀想だけど・・・。あんた、疫病神?と言いたくなる。それに、ゆかりなのか、かすみなのか、読者にもよくわからないのがなんとも心地悪い。ラストのゆかりの行動にいたっては、意味不明。

side-A だけにしておけばよかったのに・・・(私見!)。
| は行(本多孝好) | 00:39 | - | - |
■ 一九七二年のレイニー・ラウ 打海文三
4093875359一九七二年のレイニー・ラウ
打海 文三
小学館 2004-11

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出逢えたかもしれない、しかし現実には出逢えなかった「恋人」たちへ送る「大人の恋愛小説」。恋は、年齢も、国境も、時間も簡単に越えてしまう。古いフランス映画を見たような、余韻が残る短編集でした。

雰囲気は良かったです。良すぎました。それはそれはロマンチック。でも、60歳とか70歳になってまで、恋に振り回されるなんて面倒くさい・・・と思ってしまった自分は、ちょっとやばい気がする。とりあえず、私は、徹底的に、恋愛体質ではないんだなあ〜。

一番印象的だったのは、表題にもなっている第1話です。ハッピーエンドが好きだから。でも、脇役の娘がちょっと、いや、かなり気持ち悪かった。本当にこんな娘いるのかな?親父の願望というか、妄想の中の、理想の娘・・・て感じ。
| あ行(その他の作家) | 00:24 | - | - |
■ さおだけ屋はなぜ潰れないのか?  山田真哉
4334032915さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学
山田 真哉
光文社 2005-02-16

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この本、あちこちの本屋さんで平積みになってますよね。売れてるんですね。私も、タイトルにやられてしまいました。だって、さおだけ屋はなぜ潰れないのか?わかんない。買ってる人、見たことないし。私は一度も買った事ないし。なんで潰れないの?知りたい!

という、私のように、素朴で純粋な人間にはオススメ。エッセイののりで、さらっと軽く読めます。

「身近な疑問からはじめる会計学」というタイトルは、本当にそのとおり。「はじめる」だけです。軽いエッセイっていうかトリビアな感じでね。会計学のとっかかりとしては、内容が薄いです。これまで一度も会計学をかじった事がない人で、これから会計学を勉強しようとも思ってない人に、オススメします。

ちなみに私は、大学で会計学をやりましたが、綺麗さっぱり忘れたので、この本はとーっても楽しかったです。
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