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▲ だりや荘 井上荒野 
4163231706だりや荘
井上 荒野
文藝春秋 2004-07-22

by G-Tools

事故死した両親が残したペンション「だりや荘」。残された娘の椿と、妹の杏、そして杏の夫の迅人が、だりや荘を営業していくことになります。迅人はだりや荘にやってくる以前から、繊細で美しい義姉の椿と不倫の関係にありました。しかし、明るく無邪気な杏のことも愛し続けています。この3人が交互に語り部をつとめる構成になっています。

まず、この状態で、3人で同居して一緒にペンションをやろうと考える迅人の神経がよくわかりません。っていうか許せません。それに作中で、無邪気に見える杏が、姉と夫との関係をずっと知っていた事がわかるので、そこでまた驚かされます。時々ストレス性の発作を起こし口がきけなくなる椿は、ある意味一番まともですが、この不倫劇を積極的にしきっているのは結局彼女なのです。登場人物はお互いに、思いをぶつけ合うこともなく、誰かを責めることもありません。ただ静かに淡々と、様子を伺っています。特に杏の表面的な平静ぶりは、恐いくらいです。

作中で、椿には、新渡戸さんという求愛者があらわれ、アルバイトに雇われた青年翼は、杏を愛するようになります。こんなにも緊迫した、崩壊一歩手前の人間関係が、小さなペンションの中で、どんな結末を迎えるのか・・・。2重3重にからみあった、ドロドロの不倫劇です。昼ドラの原作になりそうです。信州の美しい四季を背景にしていても、ドロドロ感は薄まりません。

正直、私の、苦手とするタイプの小説です。3人の語り部がいるとはいえ、1人称の小説なのに、登場人物の考える事が、理解不能。私は不倫小説が苦手なんですよね。でも、井上荒野さんという作家さんは、上手なんだな、というのはわかります。
| あ行(井上荒野) | 22:46 | - | - |
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