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▲ もう切るわ 井上荒野 
4334737692もう切るわ
井上 荒野
光文社 2004-10

by G-Tools

ネタバレあり!

一人の男がいて、彼は不治の病におかされ、死期を宣告される。彼には「妻」と「愛人」がいる。この「妻」と「愛人」が交互に、彼が死に至るまでの時間の、自分の物語をつづっていく・・・という小説。

色んな意味で難しい小説でした。まず、読み始めた頃は、人間関係図が複雑でよくわからなかったし、時系列もよくわからなかった。でも、それはあとがきによると著者の計算内のようです。「誰にもある、心の中の迷路を、ただスケッチしてみたかった」ということで、このわかりづらさも、著者の意図どおりだそうです。

また、文庫本の背表紙では「男が最後に愛したのはどちらだったのか、あるいは女たちが真実愛したのはだれだったのか。」という謎が提示されているのですが、答えは出ないまま、男は死んで、物語は終わってしまいます。そのあたりも、どう考えればいいのかわからないままで、難しい顔をしたまま本を閉じてしまった感じ。

それに、一番に、この男のどこがそんなにいいのかがわからない!「妻」は経済力もあるし、芯の強さもあるし、それに「色気」というのでしょうか、大人の女性として魅力的な人です。「愛人」は明るくて、優しくて、こちらもまた魅力的な人です。なんでこんな二人が、このダメ男(浮気性のインチキ占い師ですよ!)にいつまでも振り回されているのか?謎!

とりあえずわたしは、この本から、「死」というものの、唐突さと、暴力的なまでの絶対性を感じました。でも、この感想は、この本にも、著者の意図にもふさわしくないんでしょうね。
| あ行(井上荒野) | 22:44 | - | - |
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