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▲ 金色の野辺に唄う あさのあつこ
金色の野辺に唄う金色の野辺に唄う
あさの あつこ

小学館 2008-05-31

山陰の静かな山あいの町で、九十を超えた老女・松恵が息をひきとろうとしていた。看取るのは、松恵の曾孫で絵心を持つ中学生・東真、松恵の孫に嫁いだ元OL・美代子、近所の花屋店員・史明、松恵の娘で稀な美貌を授かり持った奈緒子。四人ともかつて松恵に受け止められ、救われた過去があった―。屈託や業を抱えながらも、誰かと繋がり共に生き抜いていくことの喜びを、晩秋の美しい風景の中に力強く描き出した連作短編集。 (帯より)
しみじみとした、いい本でした。

松恵のように、自分自身も深く傷つき暗い思いを抱えながらも、家族の1人1人を愛し、温かく受け止め、見知らぬ人にも親切にし、そうやって生き抜いて、静かに死んでいけるのなら、理想だな、と、思います。あくまでも松恵の生と死に関する小説として読んだ時に、とてもいい本でした。

「人は、永遠に輝く星にはなれない」山田宗樹 も、同じようにある老人が死んでいく本でしたが、「人は、永遠に輝く星にはなれない」は現実で、この「金色の野辺に唄う」は理想だな、と思いながら読みました。どちらも、死と照らし合わせることで、生の素晴らしさを唄いあげた、いい本だと思います。

ただ、まだ生きている、これからも生きていく家族の物語は、あさのさんにしてはちょっと浅かったかも。もちろん、この本は松恵の物語(だと私は思っている)ので、これくらい浅くてちょうどいいのかもしれませんが、特に、奈緒子の物語はもっと踏み込んで欲しいなあ、と、思ってしまいました。

あと、最後の最後、お葬式の最中の、死後の松恵のモノローグは、個人的には無いほうが好きかも、です。そのほうが、死と生の対比が、鮮やかに描き出された気がします。でも、あのモノローグで感動する読者も多いんだろうな、とも思うので、私は少数派でしょうね。
| あ行(あさのあつこ) | 11:57 | - | - |
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