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■ グラデーション 永井するみ
グラデーショングラデーション
永井 するみ

光文社 2007-10-20
14歳の少女が、友人、家族、憧れの人との関係のなかで、一つずつ自分の感情を増やしていく。進学や恋愛、就職の悩み…誰にでも訪れる当たり前のような出来事を、自分らしく受け止め、大人の入り口に立つ23歳になるまでを丁寧に辿る。

いつかの自分を投影するような、心地よい等身大の成長小説。<帯より>
永井するみさんが、ミステリーでも不倫小説でもない小説を書いていることにも、それが、こんなにも爽やかであることに驚きました。とても、いい小説でした。

「いつかの自分を投影する」「等身大」と帯には書いてありましたが、この本の主人公である真紀は、ごく普通、というタイプの少女ではないように思いました。あまりに地味すぎます。真面目で、人見知りで、物静かで、友達も多くありません。家族構成も家庭環境も平凡だし、恋愛経験は少ないし、バイト先はデパ地下の佃煮屋で、趣味は絵を描くことで、初めて書いた絵は漬物の絵です。あまりに地味。

でも、いまどき明らかに少数派であるらしい、読書を趣味とする人の中には、真紀に共感できる人って多いでしょうね。だって、読書っていう趣味は明らかに地味だもの(笑)。そんな感じで、とても好感度の高いヒロインですよね。

私自身は、まったく真面目ではなく、まったく物静かでもない少女だったので、真紀と自分は似ていないと思いましたが、それでも、彼女の抱えるコンプレックスや悩み、感じるプレッシャーには、覚えがありました。そして、迷い傷つきながら成長していく真紀を、とても愛しいヒロインだと思いました。

それに、真紀以外の登場人物が、個性豊かで、活動的で、それぞれに華やかなので、ヒロインが地味だからと言って、物語に飽きてしまうということはありません。この人物造型、上手い!

真紀が23歳になり、大人になりかけたところで終わっています。10年も真紀の人生を見てしまうと、妙に親しみを覚えて、真紀の将来が気になり、続編希望!とも思ったのですが…どうでしょうね?大人になったあとの真紀の物語に、この本にあったような瑞々しさや清々しさが宿るとは思えないので、ここで終わるのが大正解なのかもしれませんね。
| な行(永井するみ) | 22:16 | - | - |
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