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■ スロウハイツの神様 辻村深月
スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)
辻村 深月

講談社 2007-01-12

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)
辻村 深月

講談社 2007-01-12
猟奇的なファンによる、小説を模倣した大量殺人。この事件を境に筆を折ったチヨダ・コーキだったが、ある新聞記事をきっかけに見事復活を遂げる。闇の底にいた彼を救ったもの、それは『コーキの天使』と名付けられた少女からの128通にも及ぶ手紙だった。
事件から10年――。売れっ子脚本家・赤羽環と、その友人たちとの幸せな共同生活をスタートさせたコーキ。しかし『スロウハイツ』の日々は、謎の少女・加々美莉々亜の出現により、思わぬ方向へゆっくりと変化を始める……。
よくできた小説でした。面白かったです。

辻村小説の痛い心理描写が個人的に苦手なので、語り手が章ごとに変わり、それぞれの人物が、ほかの誰かの視点で描かれることが比較的多かったこの本は、読みやすかったです。それぞれの人物の自分語り(=心理描写)が、物語の流れを止めて中だるみになることなく、自然に謎解きの一部に組み込まれていたので、不快感を感じることなく読めました。

そんな風に、少なくはない登場人物1人1人を丁寧に描いた結果、前半は物語の展開が遅くてじれったくなってしまったのですが、後半になってテンポアップし、終盤でたくさんの伏線が見事に収束し、読み終えたときには、よくできた小説だったなあと、感心してしまいました。面白かったです。

それにしても、ライトノベルって何なんでしょうね。


以下覚書。

赤羽環
「スロウハイツ」のオーナー。大学3年生の時にデビューして以来、人気急上昇の脚本家。勝ち気で、行動力があり、自分にも人にも厳しい。母親が詐欺で逮捕され、家族が崩壊してしまったという過去がある。

チヨダ・コーキ
中高生に絶大な人気を誇る小説家。過去に彼の小説を真似た大量殺人事件があってバッシングを受け、責任を感じ傷つき、断筆していた。「コーキの天使」と名付けられたファンの少女が新聞社に送った、128通にも及ぶ手紙をきっかけに再起を果たし、現在にいたる。

狩野壮太
少年漫画家の卵。子供むけの、感情的で、綺麗すぎる世界しか描こうとしない。

長野正義
現在は映画制作会社で働いているが、映画監督になることが夢。狩野とは逆に、感情を作品に込める事をかたくなに拒絶している。

森永すみれ
営業の苦手なイラストレーターの卵。映画館でアルバイト中。正義の彼女で「スロウハイツ」の炊事担当。

黒木智志
チヨダ・コーキを売り出した、敏腕編集者。

加々美莉莉亜
自称小説家。自称チヨダ・コーキのファン。彼女の登場が平穏だった「スロウハイツ」の生活に変化をもたらす。

円屋伸一
(元)201号室。環とは高校からの親友。漫画家を目指しているが、環をライバルとして強く意識しすぎたために「スロウハイツ」から出て行った。
| た行(辻村深月) | 21:33 | - | - |
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