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セカンドムーン 上杉那郎
セカンドムーンセカンドムーン
上杉 那郎

角川春樹事務所 2008-02

細心の注意を払って打ち上げられたロケットが、制御不能になり、宇宙と大気圏のはざまで自爆せざるを得ない状況になるのですが、実は、それは「セカンドムーン」と呼ばれる、地球外生命体によって作られた兵器による攻撃だという事がわかり…

という、王道のSFでした。

SF大好きなんですけど、これは個人的に好みではありませんでした。この小説には、私がSFに求めるロマンが感じられない気がしました。UFOとか、異星人が出てきさえすれば、SFのロマンが生み出されるわけではないんですよね。異星人と人類との攻防を描いた小説は多いですが、この小説では、人類は一致団結することなく、それぞれの国益だけを求めて対立を続けます。その部分に力が入っているので、この小説はどちらかというと、軍隊とか、外交とか、そんな事にロマンを感じる人に受ける気がします。

そして、ヒロインがまったく魅力的に描けていなくて、引きました。国をあげたロケット開発事業のチーフを任せられるような、有能な専門家であるはずなのに、元恋人だの、兄だの、自分に思いを寄せる部下だのが近くにいると、「意地っ張りな所が可愛らしい普通の女」にいちいち戻る。感情的で、基本的な知識も知らなくて、すぐに誰かに頼るはめになり、重要な決断をしなければならない時にパニックを起こし、本当にもう、ありえない人物造形です。男性登場人物が魅力的に描かれているだけに、筆力の問題ではないと思うので…。

差別だ!蔑視だ!と怒るほどではないけど、はあー、こういう女が男のロマンなんですかね、と、溜息が出ちゃう感じ。もしかして、これは、あれかな。筆者が某女性防衛大臣が大嫌いだったとかそういう事かな(笑)。嫌いなタイプの女をヒロインにして、魅力的に描けるわけがないよなあ。

新人さんというのはびっくりでした。これを書くのは、体力がいりそうだ、そんな感じの小説でした。好みの本ではなかったけど、小松左京賞受賞には納得です。
| あ行(その他の作家) | 22:48 | - | - |
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