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▲ つばき、時跳び 梶尾真治
つばき、時跳びつばき、時跳び
梶尾 真治

平凡社 2006-10-19

主人公は新人の時代小説作家、井納惇。新作は幕末の熊本を舞台に、長岡監物とその幼馴染の物語を描くつもりでいます。その取材もかねて井納は、祖父母の残した熊本郊外の「百椿庵」に移り住みます。「百椿庵」には昔から、女にしか見えない幽霊がいる、という噂がありました。

この幽霊が実は、幕末に実在したつばきという名の女性で、井納はタイムトラベルしてきたつばきと恋に落ち、次は井納が幕末にとんで愛をはぐくみ、そして・・・というタイムトラベル・ラブ・ロマンス。

ああ、またか。という感想に、どうしてもなってしまいます。タイトルからして「梶尾さんのいつものやつ」ということはわかっていたし、その、いつものやつが、私は好きなのですが、やっぱり新鮮味がないなあと、思ってしまいました。タイムトラベル小説としては、細かいディティールまで定番どおりで、どこかで読んだような本でした。たとえ、いつものやつであっても、味付けの部分に読み応えがあれば、新鮮味があって楽しめたと思うんですけどちょっと薄かったです。

そして2人のロマンスは、十分な長さがあるにもかかわらず、なぜかエピソードが少なくて、描写が足りない感じがしました。ふたりがここまで強く愛し合うようになっていく感情の動きが、ちっともつたわってこないので、2人の驚きにも、喜びにも、時の流れという強い障害に引き離される苦しみにも、あんまり感情移入できませんでした。

それに、幕末という時代も、熊本という土地も、長岡監物という歴史上の人物も、物語の中で役割が少なくてもったいないです。もっと時代考証をしっかりして、そういった部分でも楽しめる本であれば良かったのに、と、思います。ロマンス重視にしたために、こうなったのだとは思いますが・・・。

というわけで、全体的になんとなく物足りない印象の本でした。私にとっては、可もなく付加もなく、といったところです。タイムトラベル小説を、今までにあまり読んでいない人は、楽しめると思います。後味が良いので、オススメできます。
| か行(梶尾真治) | 13:21 | - | - |
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