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■ 聖者は海に還る 山田宗樹
4344007638聖者は海に還る
山田 宗樹
幻冬舎 2005-03

by G-Tools

テーマは「カウンセリング」。ミステリーとしての、先の読めない物語の展開に、ハラハラドキドキ。ラブストーリーも織り込まれていて、テンポが良くて、一気に読みました。面白かったです。山田宗樹さんの小説の中では、かなり読みやすいほうだと思います。

とある進学校で、生徒が教室に拳銃を持ち込み担任教師を殺し、自分も自殺する、というショッキングな事件が起きます。学校側は、生徒達のショックをケアするため、そして同じような事件の再発防止のために、学校カウンセラーをおくことにします。そこにやってくるのが、天才的な才能を持つカウンセラー・亮です。物語は、亮と、この学校の養護教諭・律を中心に進んでいきます。

二人の勤める学校の物語と、プロローグで語られる「猫を殺す少年の物語」を結びつけるのが、「定岡療法」です。これは、催眠術で危険な心を封印し、犯罪を防止したりする治療法で、生徒達を勉強に集中させることにも大きな効果を発揮します。やがて、学校側は生徒達にカウンセリングを強制するようになり、律はカウンセリング自体に疑問を抱くようになり、亨は「定岡療法」を施す自分に自信が持てなくなっていきます・・・。

カウンセリングが、アメリカほどではないにしろ一般的なものになり、あちらこちらでこの言葉を聞くようになったのに、これをこんなに真っ向からテーマにした小説も珍しいんじゃないかな?ノンフィクションはたくさんあるけどね。わたしにはとても新鮮でした。

帯に「その“気持ち”は本当にあなたのものですか?」と書いてあるのですが、そういう意味で、とても恐い本でした。自分の気持ちは自分のものか?誰かにつられたり、何かに操られたりしてないか?カウンセリングなど受けなくても、時々わからなくなる事はあります。催眠術なんてかけられたらもう、絶対にわからなくなる。それでも成績をあげるため、あるいは仕事で業績をあげるため、カウンセリングを受けようと思うほど、追い詰められる・・・恐すぎです!私は絶対に催眠術なんてかけられたくないけれど、かけられたことに気付かない可能性もあるんですよね。恐い・・・。

ラストはとても切なかったです。
| や行(山田宗樹) | 22:11 | - | - |
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