CATEGORIES
LINKS
<< チェケラッチョ!! 秦建日子 | main | ● 第三の嘘 アゴタ・クリストフ >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
● ふたりの証拠 アゴタ・クリストフ
ふたりの証拠ふたりの証拠
アゴタ クリストフ 堀 茂樹

早川書房 1991-11

この記事には『悪童日記』のネタバレがあります。

シリーズものの2作目、3部作の真ん中、ということで・・・あんまり期待しないで読みました。1作目の『悪童日記』が、なにせ衝撃的な本だったので、似たようなことをやられても、もう驚かないぞー、なんて、多少、意地の悪い気持ちで手にとりました。

でも、よかった!やられちゃいました〜。そうきたか!って感じです。まぎれもなく続編でありながら、1作目とは違う衝撃を受けました。この作家さん、本当にすごいわ。

この本は『悪童日記』のラストで分かれた「ぼくら」の片割れ、国境を越えず、おばあちゃんの家に戻った、リュカのその後の人生を描いています。戦争は終っても、共産党の独裁政権下で、全体主義体制が成立した事により、様々な自由が奪われ、理不尽な暴力はなくならず、町は活気を失っていきます。クラウスと分かれたリュカは孤独です。誰と知り合っても、誰と暮していても、心を許してはいません。心情描写は、前作と同様に皆無なのですが、読みすすめればすすめるほどに、リュカの孤独感と絶望感が深まっていくのを感じます。

そして、最終章までたどりつくと・・・。ああ、やられた!これ以上のことは書けません。

『悪童日記』のラストシーンについて、この本のあとがきに、こう書いてありました。なるほどー、ってことで、覚え書き。
大人になる過程で訪れる自己同一性の危機、有限の個と他者の関係、戦後ヨーロッパの東西分割などを同時に象徴するような、あっさりと叙述されているだけに却ってリアルな「別離」のシーンだった。
| 海外 | 20:48 | - | - |
スポンサーサイト
| - | 20:48 | - | - |