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■ 六番目の小夜子 恩田陸
六番目の小夜子六番目の小夜子
恩田 陸

新潮社 1998-08

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。
この本が最初に出版されたのは1992年で、私はまだ学生でしたが、今読んでも古さを感じないし、大人になった私が読んでも面白いし、本当に上手い小説です。読者を一時も飽きさせない構成も、クライマックスへ向けて盛り上げる展開も見事だし、文章も読みづらくない程度に情感豊かで、デビュー作とは思えません。

この本には、ミステリィ&ホラーのイメージをずっと持っていたのですが、これは全然ホラーではないし、あんまりミステリィでもありませんね。あらためて読みなおしてみると、ど真ん中の青春群像劇でした。ホラーにして恐怖を追及するなら、あるいは、ミステリィとして謎解きで読者を満足させたければ、クライマックスの後の物語のたたみ方は、まったく違う形になっていたことでしょう。これは、青春小説なんですね。

『夜のピクニック』がヒットしたときは、「恩田さんらしくない本が売れまくってるなあ。」という印象だったのですが、そんなことはありませんね。ちょっと少女趣味な青春小説は、立派に恩田さんらしさの1つだったんですよね。忘れていました。

恩田さんには、私のような素人にもわかるような上手さで、魅力的な小説を書くことは、最初から出来ていたんですね。ある意味、天才ですね。『六番目の小夜子』と『夜のピクニック』の間に書かれた、たくさんの恩田さんの小説の中には、ぶっちゃけ上手くないなあと思う作品もありました。でも、それは、確信犯だったんだろうなあと思ってしまいます。上手いだけではない、さらに高い次元で、別の魅力のある小説を目指して、どこかを故意に壊しているように思えます。
| あ行(恩田陸) | 17:47 | - | - |
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