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▲ 昏睡 霧村悠康
昏睡 かくされた癌昏睡 かくされた癌
霧村 悠康

新風舎 2006-09-25

多少のネタバレあり

デビュー作「摘出−つくられた癌」の続編です。前作で、過ちを犯した人々のその後が描かれています。あんなに反省したはずなのに、あっという間に現場の緊張感は失われて、教授選がみんなの一番の関心事になっています。あいかわらずの、ベタな「白い巨塔」小説でした。小説としては、読むたびにどうしても好きになれない部分があるのに、著者が現役の医師であるということと、著者の医師としての良心と熱意が感じられるところが、霧村さんの本を手にとってしまう理由でしょうねー。

サイドストーリーという感じで、前作でミスをして病院をやめた、新人外科医、本木が、医師として再び仕事を始める様子が描かれます。本木は新しい病院に勤めるにあたって、その病院のHPで、3回ミスをしたら外科医をやめる、と宣言しました。彼はその病院で、生まれて始めての恋をします。相手は末期の癌患者です。HPで本木を知り、彼を頼ってきたのです。このシリーズで1番若手の医師である本木が、本当にいいお医者さんになってくれそうなラストは、全体的に暗いテーマの本を、後味良く終らせてくれました。でも、死期の迫った薄幸の美少女を最後まで見守る若き医師、なんて、ちょっと前の「泣かせる本」ブームっぽくて、ベタだったなあ。まあ、いいお話、ではありました。

そしてもう1つのサイドストーリーが、今回の、どうしても好きになれないエピソードなんですが・・・。前作のミスの責任をとる形で教授職を退いた、高木医師の不倫の結末が描かれます。もともと、不倫小説は嫌いなんですが、この本の不倫の描かれ方は最悪でした。長年つきあった愛人は肺癌になってしまい、高木医師は懸命に看病します。男の身勝手全開なんですけど、一応その姿は誠実に見えます。愛人の陽子さんという人もいい人で、言葉も、手紙も、感動的で良かったです。でも、それでも、あの最後はいかんですよ。いくらなんでもダメですよ。小説の中では綺麗にまとまっていて、「ここは感動するところですよ」という無言の圧力を行間から感じましたけど(笑)、それが許せない〜。だって、夫にあんな死なれ方をしたら、奥さんと子供の立場は!
| か行(霧村悠康) | 23:20 | - | - |
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