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▲ 水曜日のうそ クリスチャン・グルニエ
水曜日のうそ水曜日のうそ
C. グルニエ 河野 万里子

講談社 2006-09

主人公は、15歳のイザベルという少女。近所に住んでいて、毎週水曜日に30分だけ遊びにくる、82歳のコンスタンおじいちゃんの事が大好きです。でも、そのおじいちゃんの息子であるはずのパパは、その30分、いつも苛立っています。おじいちゃんの耳が遠いことに、そして古い思い出話ばかりがくりかえされること、仕事で忙しい自分が、そのために時間をとられること。もちろんパパは、おじいちゃんを嫌いではなく、大事にしなければならない、と考えて努力しています。それでもどうしても、その30分は、ギクシャクしてしまうばかりなのです。

そんなパパに、転勤の話が来ます。場所は、おじいちゃんの家から4時間もかかるリヨン。その転勤でパパは望んでいたポストを手に入れることができるのです。それと同時に、ママに赤ちゃんが生まれることもわかります。今の家では狭すぎるので、一家は引っ越しが必要なのです。イザベルは、ボーイフレンドのジョナタンと離れるのが嫌です。がん患者であるおじいちゃんを置いていくのも嫌です。パパも、ママも、おじいちゃんを置いていかなければならないことには、罪悪感を感じています。かといって、自分の家で死にたいと考えているおじいちゃんが、一緒に来てくれるわけはないし、老人ホームに入ってくれることもなさそうです。

それで一家は、おじいちゃんに嘘をつくことに決めます。おじいちゃんに引っ越しの事を知らせず、水曜日だけ、元の家に帰り、今までどおりの時間を過ごすのです。誰かが誰かを思いやって生まれた、たくさんの優しいうその物語。

とても上品な雰囲気の小説でした。「うそがばれそうで、ドキドキ、ハラハラ」というようなシーンでも、その上品さ、それに、穏やかさや、静かさといった、小説の雰囲気が、なぜか壊れていません。その分、ストーリーの展開のわりに冗長な気もしましたが、やっぱり素敵な本でした。

これ、映画化しないかなあ。そうしたらきっと、メリハリがついて、最後には感動がこみあげる、いい映画になると思う。
| 海外 | 23:29 | - | - |
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