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▲ 少女は踊る暗い腹の中踊る 岡崎隼人
少女は踊る暗い腹の中踊る少女は踊る暗い腹の中踊る
岡崎 隼人

講談社 2006-06-07

第34回メフィスト賞受賞!
子供たちのダークサイドを抉る青春ノワールの進化型デビュー!!
凄惨だけど、爽やかです

(帯より)
終始、どこかで読んだ事があるようだ、という気がする本でした。特に、舞城王太郎さんを連想せずにはいられない。激似です。そして残念ながら、舞城さんほどは派手じゃないし、狂気が真に迫っていない。デビュー作ですし、作者はかなりお若い方で、似たようなものを書けばすでにプロとして活躍中の作家さんに勝てないのは当然。劣化コピーになっていなければ御の字でしょう。「進化型」は言いすぎだと思います。

内容は、たしかに「凄惨」ではありました。でも「爽やか」さは感じませんでした。どこまでも黒くて、暗くて、グロくて、爽やかさとは正反対。舞城さんの作品群より、主人公の語ることや、することに、どこか筋が通っているというか、つじつまが合っているというか、不条理性がないので、余計に爽やかさに欠ける本だと思いました。よくあることですが、帯に偽りあり、です。そもそも「ダークサイドを抉るノワール」なら、爽やかである必要はまったくないと思いますし、「凄惨だけど、爽やかです」は「この小説は中途半端です。」と、言っているようなもので、どうにも、帯が、いただけません。

それでも、「凄惨」と「爽やか」が、どう両立したんだろう?、って、ワクワク読み始めてしまうのが、本読みの悲しい性ですよね。今回もまた、帯には裏切られた結果になりましたけど・・・。

でもまあ、小説自体は「この若さでよくがんばったなあ」という感じです。よくまとまっていました。猟奇な連続殺人犯が3人も登場するこの本。それぞれの狂気と、それぞれの原点となった過去の記憶(そしてその中心人物)と、それぞれの結末を、1冊にまとめあげるだけでも大変な事だと思います。小説家としての才能というよりは、「器用さ」という意味で、感心しました。将来性に期待できる作家さんだと思います。

でも、オリジナリティがないのは、メフィスト賞受賞作としては、寂しかったです。幼児虐待やレイプの被害者になった、あるいはそれを目撃したことによるトラウマと、成長してからの猟奇的な犯罪行動が結びつくパターンは、もういい加減、飽きました。傷ついた少女と、狂った青年の組み合わせにも飽きています。唯一、かろうじて新鮮さを感じたのは、岡山弁の会話、かなあ。(あ、でも、それもやっぱり舞城さんっぽい・・・。)。どこかで見たような作品にも、名作はたくさんありますが、メフィスト賞ってそういう賞じゃなかったのになあ・・・。

著者が若くてイケメンなので、あまりけなしたくありません(笑)。このくらいにしときましょう。この作家さんが、将来どう転ぶのか、楽しみです。一発屋で終ってしまうか、もしかしたらライトノベルの世界に行くのか、大人向けのミステリィあるいは文芸作品としてきちんと認められるかは、次作が勝負だと思います。がんばれ、イケメン!
| あ行(その他の作家) | 22:59 | - | - |
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