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▲ 夜をゆく飛行機 角田光代
夜をゆく飛行機夜をゆく飛行機
角田 光代

中央公論新社 2006-07

角田光代さんの小説とは、基本的に気が合いません。どの本だったかもう忘れてしまいましたが、最初に読んだ一冊との相性が本当に悪くて。読んでいる間中イライラしっぱなしで、ラストも嫌いで、この人の本は2度と読まない、と、思いました。出会い方が悪かったのです。

ところが、その後、角田光代さんはどんどん売れっ子になり、本好きの友だちがオススメだと貸してくれるようになり、数々の賞をとり、新刊が出るたびに評判が良く・・・。結局、無視できない作家さんであり続けています。

平板で面白くない展開、はっきりしないラスト(やたらしつこく出てきたぴょん吉の中途半端な扱いは何?)、心理描写ばかりが多くて、しかも、それに個人的には共感できない。この本も、やっぱり、私とは気が合わない角田光代さんの本であることに変わりはありませんでした。

で。それだけだったら、私は、この本の感想を公開したりはしないんです。好きな作家さんの本なら、楽しみにしていた本が面白くなくてがっかりした、っていう感想だって一種の「愛」だから、酷評警報を出しつつ、公開します。だって「愛」だもん!

でも、嫌いな作家さんだってわかっている作家さんの本を、きっと好きになれないとわかっていて、わざわざ読んで、やっぱり面白くなかったよって、ブログを使ってわざわざ公言する、なんて、あまりに性格が悪すぎるでしょう?そういうことは、さすがの私も、しません。

だけどこの本は、今までの角田本とは、一味違うような気がしたんです。著者が、冷静に、自分と主人公との距離をきちんととって、心理描写をしているような感じがしたんです。だから、まったくおしつけがましくなくて、私にも、読みやすかったんです。

私は今まで、角田さんの小説の主人公からは、いつも、「ねえ、あなたもわかるでしょう?共感するでしょう?ね?」って言われているような気がして、そこがどうしても受け付けなかったんだけど、この本には、それがありませんでした。

これはプロの仕事だなって、そう思いました。

私、この本は、嫌いではありません。
| か行(角田光代) | 00:16 | - | - |
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