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■ 仔羊の巣 坂木司
仔羊の巣仔羊の巣
坂木 司

東京創元社 2003-05

シリーズ第2作目。

「卵から巣へ」という、とても読みやすくて、しかも的を射た解説がついていて、私が言うべきことなど何もなし、という感じです。

□ 野生のチェシャ・キャット
相変わらず、鳥井くんの推理の見事さにはあっと言わされて、面白い短編でした。でもそこよりもっと印象的だったのは、前作「青空の卵」で鳥井・坂木と再会した滝本の鋭さですね。
「一度聞いておきたかったんだけどな。鳥井はともかく、お前はあいつと世界のたった一つの窓口でいることに、納得しているのか?それとも、誰にもなつかない動物のオンリーワンであることを、杖にしてすがってるのか?」

「お前は、鳥井を独り立ちさせるために、あいつを突き放すことが出来るのか?」
二人の関係を、なんか変だよな〜とまでは思えても、それを外側からここまで鋭く分析するのは難しいと思う。しかもそれをぶつけるべき相手に、しっかりぶつけているあたりが、大人の親切。単なる体育会系の大味な男かと思っていたら、違いました。やるなあ、滝本。そしてやっぱり坂木、かなり病んでますねー。
「僕はやはり、この生き物を手放すことなどできない。」
□ 銀河鉄道を待ちながら
□ カキの中のサンタクロース
この2編は、二人の関係はあまり成長がなく、相変わらずラブラブ(?)です。(坂木さんは覆面作家だそうですが・・・絶対この方は女性だと思います・・・。だってもう、やっぱりどう読んでもBLなんだもん。)でも、鳥井のいくつもの推理がさえている物語。父親との関係に悩む中学生の少年、利明の悩みを解決してあげたくだりは読んでいて気持ちよかったです。この事件で、地下鉄の駅員のおじいさん、栄三郎さん、女子高生の矢崎さん、PTSDによる閉所恐怖症と折り合いながら明るく生きている寺田さん、と、二人にまた友人が増えました。特に、栄三郎さんには今後、期待できそうです。
多分、栄三郎さんは、利明くんや鳥井に何かを教えようとしてくれているのだと思う。それは彼らが教わる機会を持たなかった、強い父親からの言葉なのかもしれない。そう、真正面から自分を見つめてくれる、年上の男が僕らには必要だ。優しい女性からは教わることのできない、何か。

それは観念としての拳。げんこつの正しい使い方なのだ。
3作目で、鳥井・坂木の関係を、どうたたんでくれるのか、楽しみ。この作者はなんで、坂木に自分の名前を与えたんだろう。そこも、ちょっと気になります。
| さ行(坂木司) | 12:37 | - | - |
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