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★ DIVE!! 森絵都
DIVE!!〈1〉前宙返り3回半抱え型DIVE!!〈1〉前宙返り3回半抱え型
森 絵都

講談社 2000-04

DIVE!!〈2〉スワンダイブDIVE!!〈2〉スワンダイブ
森 絵都

講談社 2000-12

DIVE!!〈3〉SSスペシャル’99DIVE!!〈3〉SSスペシャル’99
森 絵都

講談社 2001-07

DIVE!!〈4〉コンクリート・ドラゴンDIVE!!〈4〉コンクリート・ドラゴン
森 絵都

講談社 2002-08

飛込み競技でオリンピックを目指す少年たちの、熱いスポ根小説でありながら、文句なしに面白い人間ドラマであり、繊細な青春小説です。いまさら帯の引用とか、あらすじとか、いらないですよね?

私の大好きな本だから、本当ならちゃんとした紹介をして、書評を書けたらいいな、って思ったんです。でも、文庫版についた解説を立ち読みして、それはあきらめました。あさのあつこさんと、佐藤多佳子さんという、児童文学の世界では森さんと並ぶ才能と人気の持ち主が書いているにも関わらず、失礼ながら、この解説が、全然おもしろくないんですよ。(<失礼・・・。)

お2人が、「DIVE!!」という本を絶賛している部分は、熱い文章で、非常に共感したんです。お2人も絶賛なら、この本は本当に本当にいい本なんだと、嬉しくなったんです。でも、まじめに解説したり説明したりしている部分は、本当におもしろくない。(ああ、わたしったら本当に失礼だなあ(笑)。でもお2人の小説は、本当に面白いので大好きなんですよ。あさのあつこさん、佐藤多佳子さん、お2人とものファンです。)

結局、この本には、解説なんて不要なんです。問答無用で、面白いの。

基本的には、ストーリーといいキャラの造形といい、スポ根少年マンガそのものなので、とてもわかりやすいんですよね。それぞれに異なった才能を持つライバルがいて、彼らには遠く及ばないけれど、いい仲間である凡人がいる。それぞれの才能に嫉妬しあったり、ライバルとも友情を深めたり、恋を犠牲にしたりしながら、ひたすら努力し上を目指す。ガンコ親父に反抗するのも、美人コーチの登場も、お約束です。基本的にはシリアスですが、文章もストーリーもテンポが良くて読みやすいし、挿入されるギャグや、少年らしいおバカなエピソードには笑えます。

だけど、著者が女性だからなのか、ところどころぬ差し挟まれるドキッとさせられるような鋭い一文があって、そこには「宇宙の真理」とか「人生観」とか、そういう言葉を使いたくなるような重みがあって、これが単なるスポ根少年マンガのノベライズではなく、森文学なんだなあと、思い知らされます。

超個人的でミーハーな事を言いますが、身近にいたら、私が憧れるのは知季だと思います。「失恋に失恋しちゃう」知季には、母性本能刺激されまくりです。絶対好きになって、ものすごく応援すると思う。でも、実際につきあっちゃうのは、要一タイプなんだよなあ。プライドが高くて、要領が悪くて、実はメンタルな面では一番弱くて、肝心なところで無理をする人。飛沫とは、恭子さんもセットで、お友達になりたいですね。

私は、このシリーズが、いまのところ森さんの最高傑作だと思っています。文句のつけどころがない!いや、あるのかもしれないけど、別に私は、そんなのわからなくていい(笑)。この本が大好きです。

なんといっても、第4部が秀逸。それまでの3部は、主役の3人それぞれの視点からそれぞれの物語が語られましたが、最終章は、彼らだけではなく、彼らの周囲の様々な人々の思いが描かれます。超脇役かと思っていた何人かの思いにも、きっちりスポットライトがあてられる。この章がもしも、こういう形ではなかったら、この作品をここまで好きにはならなかったでしょう。ラストは綺麗にまとまりすぎなんですが、それも含めて、私は好き。

直木賞もとれたことだし。森さん、また、こういうの書いてくれないかなあ。

で、これはちょっとした脱線なんですけど。この本の少年たちの、化粧に関する考察の鋭さは、なんなんでしょうね。天真爛漫な中学生のはずの知季でさえ、「放課後の練習でくたくたになった中学生を待たせても化粧の手はぬかない。ここだ、この女の信用ならないのはこういうところだ。」なんて言ってます。ウォータープルーフのアイラインだの、マスカラだのという言葉を、恋愛には比較的縁遠い、体育会系の少年たちに、いったい誰が教えたのか?母親?謎です。
| ま行(森絵都) | 21:30 | - | - |
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