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■ アンダー・マイ・サム 伊藤たかみ
アンダー・マイ・サムアンダー・マイ・サム
伊藤 たかみ

青山出版社 2001-06

田舎の町に暮らす、17歳たちの物語です。全体としては爽やかというより、痛々しい物語ですが、読後感は良いです。伊藤たかみさんの本の中では、わかりやすくて、読みやすかったです。

主人公には親指が長いという特徴があり、それで携帯メールを人よりも早く打つことが出来るのですが、それが何かの役にたつかと言えばそんなことはありません。母親はずっと前に家を出て行き、小説家をを目指していると言うだけの無職の父親との2人暮らしです。自分の住む町が気に入らず、今の退屈な生活が気に入らず、とにかく東京に出たいとそればかり考えています。しょっぱなから、クールなようで子供っぽい、現実逃避型の、青臭くて、痛いキャラクターです。

そんな彼はある日、居眠りをすると、自分の体から自分が外れてしまうようになります。本当の自分より、外れてしまったあとの残された自分の本体が勝手に動く様子を眺めると、自分より「社会と上手くやっていけている」ように見えます。どうして自分は、外れてしまうのか?自分は「社会とやっていけない」のか?でも、その点についてちゃんと考えることからも、彼は逃げていくようです。

彼の友人たちもそれぞれに、17歳らしく痛いです。引きこもりの兄と、家に戻ってこない父親と、宗教活動にはまる母親という、崩壊した家庭の中で、破壊衝動を抑えられず、壊れていく友人の清春。顔にある傷が目立ちすぎて、学校生活も就職もままならない、でも恋人にみつぐためのお金が欲しい、幼馴染のみゆき。

彼らがどんな物語を織り成し、どんな結末をむかえるのか。内容はかなり痛くて、悲しいエピソードもあるのですが、救いがあるラストが良かったです。限りなく、一般文芸書に近いYAでした。
| あ行(伊藤たかみ) | 23:51 | - | - |
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