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■ ジャンピング・ベイビー 野中柊
ジャンピング・ベイビージャンピング・ベイビー
野中 柊

新潮社 2003-08

離婚した元夫婦が、結婚していた頃に一緒に飼っていた、猫のお墓参りに行く、とある一日のお話。2人の間に子供はできなかったので、猫は彼らの子供のようなものでした。

元妻、鹿の子のほうは、すでに再婚し幸せに暮しています。でも今日は過去を振り返り、自分たちに子供がいたら、少しは結婚生活が違ったものになったのだろうか、と、考えています。でも、そうでもなさそうであることが、作中で明らかになっていきます。元夫には、現在のパートナーとの間に赤ん坊が生まれているのですが、2人もまた、別れようとしているからです。

どんなに魅力的でも、やっぱり彼は、ダメ男の範疇に入るんでしょうね。従順さでは世界に名だたるヤマトナデシコがついていけなかったのですから、芯にそうとう強烈な個性を隠しているのでしょう。ダメ男を愛した2人の女が、最後に心を通わせるシーンは印象的でした。敵とは言わないまでも、ライバルではあるだろう、年齢も国籍も違う2人が、深くわかりあえた瞬間。女同士っていうのは口数が多い割に、本当に大事なことは、言葉にしないで分かり合っているものですよね。
なぜかなあ? だけど、あなたなら、私の気持ちがわかるんじゃないかな?
そして、赤ちゃんとのふれあいも印象的。ハッピーエンドにならなかった、寂しい、男と女の物語を、たった一人の赤ちゃんが、命と希望の物語に変化させます。物語の中の世界でも、赤ちゃんの存在は偉大です。それらのシーンはとてもよかったです。

でも、そこにたどりつくまでが長すぎ。ながーい前置きに、物語ちょこっと、って感じでバランスが悪かったです。「前置き」部分も楽しめる人にはいいと思います。結婚や離婚の経験がある人や、猫好きな人は、私よりは楽しめると思います。私には、なんでいまさら、そんなに過去をふりかえらなくちゃいけないの?と、思ってしまい、退屈でした・・・。

舞台が鎌倉や横浜でなんとなく観光地的な匂いがするせいか、猫のお墓参りというちょっと少女趣味(?)な設定のせいか、登場人物の半分が外国人だったりするせいか、どうもフワフワとした、現実感のない雰囲気の本でした。物語自体は、男と女のしょうもない、身もフタもない現実だったりするので、そのあたりはバランスがいいと言えるのかもしれません。
| な行(野中柊) | 16:40 | - | - |
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