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● イレギュラー 三羽省吾
イレギュラーイレギュラー
三羽 省吾

角川書店 2006-06

すごく良かったです。爽やかで、面白かった。時々、しんみりもさせてくれた。明日への、元気をもらえる本です。久々に出会った、男女年齢を問わず、色んな人にオススメしたくなる作品。

蜷谷村は、9月の台風による水害で壊滅状態になり、人命以外のあらゆるものが失われました。半年がたった今も、村民のほとんどが、仮設住宅暮らしをしています。被害は深刻で、いつまた村で暮せるようになるかはわかりません。ほとんどの村民は農業など、村でしか出来ない仕事で生計を立てていたため、収入もほとんどなくなりました。みんなが親戚同士のように仲良く、明るく、励ましあってやってきた村民たちも、次第に疲れ、苛立ち、もめごとがおこるようになってきました。

そんな暗い状況の中で、唯一の明るい話題が、蜷谷高校野球部の活動再開です。甲子園にも出場している強豪のK高校の監督が、蜷高野球部監督の元教え子であり、その縁で、合同練習をさせてもらえることになったのです。挨拶の仕方もろくに知らず、部室でタバコを片手にビールを飲む。そんな、そもそもお行儀のいいほうではなかった上に、水害ですべてを失って荒んでいる蜷谷高校野球部の面々と、しつけの行き届いた伝統あるK高校の野球部員たち。彼らは、共に練習する中で、最初はぶつかり合いながらも、互いに様々な事を学び、友情を結びます。K高校のエースが、蜷高の女子マネに恋をしたりもします。ああ、青春!

という物語ですが、こーんな、ありがちなストーリー展開だけではありません。一つ一つのエピソードが、とにかく笑える!村民たちの会話も、部員のアダナも、部員同士の会話も笑えるし、細かいエピソードがいちいち笑える。

大きなエピソードのほうは、爽やかです。潜在能力は高かったものの、プライドの高さとやる気のなさが邪魔をして伸び悩んでいた、蜷高のエース、コーキは、K高校のバッテリーを間近で見てやる気を出し、才能を開花させていきます。村で一番経済状況が深刻な、五人兄弟の長男である神原のエピソードは切ないのですが、周囲の人の協力で、温かく解決します。監督同士のやり取りも、なかなか含蓄があって、スポーツマンらしく爽やかで、読み応えありです。

そうして迎えた甲子園予選。2つのチームの出した結果は?

というわけで、色んな人が色んな読み方で色んなところを楽しめる本なので、絶対オススメです。私はやっぱり正統派(というか著者の掌の上で操られるタイプ)の読書人なので、コーキメインで読みました。コーキの将来はきっと、大リーガーです!
| ま行(その他の作家) | 22:17 | - | - |
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