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■ 漢方小説 中島たい子
漢方小説漢方小説
中島 たい子

集英社 2004-12

「だから強いてつけるとしたら、あなたの病名は「色々なところが弱い」というあなただけの病気です」
うちの母親は、一応、東洋医学系の整体士で、自宅開業してたりするので、その辺の知識に新鮮味はありませんでした。でも、ストレスからくる体調不良にはわたしも悩まされたことがあって、漢方治療も受けたことがあるので、親近感のわく本でした。

脚本家をやっている31歳のみのりが主人公。いわゆる「負け犬」小説でしたね。結婚してない、彼氏もいない、仕事も不安定、なんだか色々うまくいかないわ、という女性の物語。でも、痛い感じではなくて、ユーモラスで前向きで、読みやすかったです。サクサクあっという間に読めました。

「負け犬」小説って、わたし、たいてい苦手なんですよ〜。主人公が、たいてい暗くて、僻みっぽくて、妬んでばかりで、性格悪いじゃない?それなのに、最大多数の共感を狙って、言い訳しまくる小説が多い。ぶっちゃけ、角○○○さんとか。あくまでもわたし個人の感想ですが、共感も出来ないし、物語が面白くないし、どうも読み心地が悪い。でも、無理して明るい主人公で書いたせいで、よけいに痛い本になっているものもあるような気がしますからねー。

この「漢方小説」は、そのバランスが絶妙で、良かったです。

みのりのキャラクターがいいんです。みのりは「たかが元彼の結婚」くらいで、救急車のお世話になるほど体調を崩してしまい、病院めぐりの果てに、漢方医のところにたどりつきます。医者としてはあまり信用していないのに、担当医のソース顔が気にいって、「懐疑心と乙女心は、別腹だ。」などと言い、病院に行ってしまいます。自分の事でいっぱいいっぱいのときでも、周囲を思いやる気持ちを忘れない、いい子でした。等身大の31歳という気がしました。

みのりに言い寄ってくる、そう悪くもない感じの男がいたりもするんですが、結局みのりは、漢方の助けにより自力で立ち直ることができます。よかったよかった。自分がちゃんと立ってない時に、なんとなく恋愛を始めちゃったりすると、ろくなことありませんよね!彼を含め、みのりの愉快な仲間たちの人間模様も面白かったです。

第28回すばる文学賞受賞作。第132回芥川賞候補。

え、まじ?そこまですごい本だとは・・・(以下略)
| な行(その他の作家) | 23:03 | - | - |
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