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烙印 貫井徳郎
448801268X烙印貫井 徳郎東京創元社 1994-10by G-Tools

今年の夏は、貫井徳郎さん(他数名の男性ミステリー作家)のコンプリートを目指している。この「烙印」は、貫井さんの2作目。

妻に自殺された元警察官が、その理由を探すうちに、暴力団の抗争に巻き込まれて…

という物語。

私には、「つっこみ書評」とか「こきおろし書評」を面白おかしく書く才能はないし、嫌いな本の感想を書くなんて面倒だと思う。それに、その本を好きな人に読まれてしまって嫌な思いをさせたくもない。というわけで、いつもなら、マイナスの感想文は書かない。

でも、この本は、のちに「迷宮遡行」というタイトルでリライトされて、より完成度が上がったらしい。だから、「迷宮遡行」を読む前の、「烙印」の感想を残しておこうと思う。

なんというか…ミスリードにしろ、真相にしろ、あらゆる部分で無理がありすぎる。ラストも、どうして主人公がそういう行動をとらなければならないのか納得できない(つまり、彼に感情移入できなかった)。それに、明らかになる、妻側の事情も甘いと思う。なんでそこまでしなくちゃいけなかったのか、説得力がない。

著者があとがきで、「私はハードボイル書いたつもりもなければ、本格として読んで欲しいわけでもない。ハードボイルドファンにも読んで欲しいし、本格ファンにも楽しんでいただけるように書いたつもりだ。」と書いているが、本格ファンには、発表当時、こきおろされたんじゃないかと思う。前作が良かっただけになおさら。この謎解きは…本格ファンじゃなくても認められないというか、あんまりだ、と、思うと思う。

それに、全体として良くも悪くも、ジャンルとしてはハードボイルドだと思う…。大きな組織を離れて一匹狼になった主人公が、別の巨大な組織に1人で立ち向かうんだよ。彼は孤独なんだけど、昔馴染みの協力者が少しはいたりして、そこを攻撃されるとすごく怒るような熱い一面もあるんだよね…。だけどこの小説には、主人公が全然かっこよくない、という欠点があって、そこがハードボイルドとしてはかなりの致命傷。というわけで、ハードボイルドファンにも、好まれないのではないか、と、推測。

以上。酷評してしまった…。「迷宮遡行」が楽しみです。
| な行(貫井徳郎) | 16:49 | - | - |
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