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■ 続・嫌われ松子の一生 ゴールデンタイム 山田宗樹
ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生
山田 宗樹

幻冬舎 2006-05

あの「嫌われ松子の一生」から4年。今作は、あの時、松子の人生をたどった松子の甥・笙と、当時の笙の彼女・明日香の、現在進行形の青春小説になっています。基本的に明るくて、前向きです。爽やかです。気持ちがいいです。

「嫌われ松子の一生」の続編である、という感じは、ほとんど漂ってきません。営業的にはともかく、小説としては、その部分は必要なかったんじゃないかと思えるくらいです。もちろん、松子の人生について知ったことが、笙の人生観に与えた影響は大きかったと思うので、まったく関係なくはないんですけど。でも、この本の冒頭の4年後の段階では、笙は松子の人生を知ったことから得たことを、自分の中で消化しきれていません。だから松子についての記述が出てくると、そこだけちょっと浮いていました。

さて。笙は大学を卒業しましたが、就職活動に失敗。下北沢を中心に、フリーター生活を送っています。そんな中で出会った、演劇に人生をかける人々との交流が、彼を変えて行きます。笙が演劇を志し、1ヶ月という短い期間ではありますが、特訓を受けるシーンは面白かったです。少女趣味に走っていない分、「ガラスの仮面」より「チョコレート・コスモス」より面白かった。この部分だけ別の小説として1冊書いてほしいくらいでした。

あと3ヶ月という寿命を宣告されながらも、治療を拒否し、自分らしい人生を貫こうとする、ミックという人物との出会いを通して、彼が学んだことは大きいようです。ミックも、松子さん同様、彼の人生観を大きく変える1人になるのでしょうね。またミックの元奥さんの姿を通して、松子に対する理解を深めることが出来たりもしたようです。笙はずいぶん成長しましたね。

明日香のほうは、医師への夢を捨てきれず、大学を中退。九州の医大に入りなおして夢を追いかける毎日です。笙ともわかれて、現在は、ある地方の大病院の御曹司と交際中。明日香には、笙とは違い、自分の未来に対する夢、明確なビジョンがあるので、それが、御曹司との恋愛・結婚という人生と、折り合っていけるのかどうか、というのが見所です。明日香は、実に素敵な女性に描かれています。

ここからは、読了後の人にしかわからない感想文ですが・・・。この御曹司くん、悪い人ではないんですよね。でも、「理由がわからない。」この彼のこの言葉で、私は彼に見切りをつけました。この御曹司くん、やっぱりダメ男だわ!理由、簡単じゃん!これ以上ないくらい、わかりやすいじゃん!明日香の選択、大正解!

ちょっと残念だったことは・・・。最後のほうで、笙と明日香が再会するのですが、その部分を、私は、無意識に予想をたてながら読んでいたようなんです。「こうだったら嫌だなあ」パターンと、「こうだったらいいなあ」パターンの2種類。そうしたら、「こうだったら嫌だなあ」パターンにドンピシャ。けっこう細かいセリフまで、あててしまいました。しょぼーん。

たとえば数年後とかに、「こうだったらいいなあ」パターンの再会が、2人にあることを祈ります。
| や行(山田宗樹) | 22:47 | - | - |
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