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■ 幸福ロケット 山本幸久
幸福ロケット幸福ロケット
山本 幸久

ポプラ社 2005-11

よかったですねー。感動できました。

下町に住む小学生、コーモリと香な子の、小さな恋の物語。イマどきっぽくない、素直で子供らしい子供たちが出てきて、泣いたり笑ったり頑張ったりする、大人のための癒し本です。

山本幸久さんらしく、文章が上手くて読みやすい。主人公香な子の、心の声には何度もくすっと笑わせてもらいました。まあ、山本幸久さんの今までの作品に比べると、「怒涛の面白さ」っていうかんじではないし、展開ものんびりしていて、なんだかだれてるなあ、という感じはしないでもないです。無駄で邪魔なエピソードが多かったり、踏み込みが足りなかったりもする。たとえば、最後の最後に町野さんが登場したのは邪魔だった。それに、香な子にはやっぱり、「私立は無理」という過酷な未来があったほうが、物語的には面白かったと思う。

でもやっぱり、よかった!ラストうるうるだったもの。コーモリ、苦労しまくるのは目に見えてるから、かっこいい男性になるでしょう。香な子も努力して、綺麗な女性になって欲しいなあ。でも、2人がまた出会って恋に落ちるなんて事は、たぶんないんだよね。初恋ってそういうものだから。

なかなかに、切ない本でした。

それから、私は鎌倉先生が好きだ!元モデルだという美人で、ジャガーに乗った、生徒思いのいい先生なんですけどね。セリフの一つ一つが最高。一番好きだったシーンを引用しておきます。
コーモリは・・・香な子をじっと見てから「おまえ、男だったらよかったのに」といった。
「どういうこと?」
「そしたらおれら親友になれたのに」
「男と女でも親友になれますよね、先生?」コーモリのお母さんは鎌倉先生に同意を求めた。でも先生ははっきりとこういった。
「あたしの経験上、ありえませんね」
コーモリのお母さんをはじめ、香な子もコーモリも先生の断定した物言いに、目をパチパチとさせるだけだった。
鎌倉先生、あなたはこれまでいったいどんな経験を積まれてきたんです?香な子は心の中で叫んだ。
そして、おっ、アカコとヒトミだ。


「幸福ロケット」出版記念 山本幸久インタビュー
http://www.poplarbeech.com/danwa/danwa_060123.html
| や行(山本幸久) | 18:53 | - | - |
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