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■ さくら草 永井するみ
さくら草さくら草
永井 するみ

東京創元社 2006-05-27

清純な少女っぽさと、上質な大人のエッセンスをバランスよく同居させている、ローティーンの少女たちに絶大な人気を誇るブランド「プリムローズ」。その「プリムローズ」の服を着た少女が次々に殺される、連続殺人事件が起きます。

「プリムローズ」の服を着た少女の写真をとったり、売買したりする、「プリロリ」と呼ばれる男たちの犯罪なのか?少女たちが犯人に誘われてついて行ってしまった理由、彼女たちを釣った「餌」はなんだったのか?ファッションにもブランドにも理解がない昔気質のおじさん刑事、俵坂と、若い女性刑事、理恵のコンビが、事件の謎を追います。

さすが永井さんで、ミステリーとしてだけでなく、キッズブランドという旬の業界を舞台に、ファッション業界小説としても楽しませてくれます。フェイスなんて業界用語、初めて聞きました。「プリムローズ」の社長兼デザイナーの桜子と、桜子を見つけ出し「プリムローズ」を育て上げたゼネラルマネージャー、晶子の確執も、読み応えがありました。「プリムローズ」を誰よりも愛し、ブランドイメージを守ろうと必死で戦う晶子を、応援せずにはいられません。桜子なんて嫌いだよ。

被害者となる少女たちにも、それぞれに夢があり、それぞれの家族にそれぞれの物語があります。「プリムローズ」が大好きだった娘を、自分の父親が運転していた車の事故で失った母親が、今でも毎月「プリムローズ」の服を買い続けているという狂気のストーリーも事件に絡んできます。俵坂と理恵のコンビが信頼関係を深めていく様子は、この本に清涼感を足してくれます。複雑なストーリー、スピーディーな展開、読ませます!面白い読み物でした。

連続殺人事件の真犯人は、伏線が足りなくて、やや強引な気もしますが、まあ納得できない、というほどではありません。でも、この真相をあてられる読者がいたら、すごいね。私が何の根拠もないけどなんとなく犯人だと決め付けていた人は、完全に脇役でした。
| な行(永井するみ) | 08:30 | - | - |
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