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■ アイムソーリー、ママ 桐野夏生 
4087747298アイムソーリー、ママ
桐野 夏生
集英社 2004-11

by G-Tools

相変わらず桐野さんはダークです。この本も、元児童福祉施設の先生と卒業生の夫婦が結婚20周年を祝ったその日に、施設時代の仲間だったアイ子に再会。その夜、理由も思いあたらないまま、彼女に殺される、という放火殺人から始まります。

この小説の主役・アイ子は、物心ついたときには娼館の押入れに寝起きしており、誰が面倒を見るでもなく、母親の形見だと教えられた汚い靴に、毎日話しかけてるような少女でした。娼館がつぶれたあと、自分で警察に助けを求め、その後は児童福祉施設で育ちます。愛情に飢えた少女が、どんな人生をたどったのか。そして、アイ子が求め続けていた母親の行方は…?

アイ子の人を人とも思わず、命を命とも思わないすさんだ人生には、鳥肌が立つような恐ろしさがありました。それだけでなく、アイ子をそんな風にした周囲の登場人物の嫌な部分が、これでもかというほど描かれていて、これまた鳥肌が立ちました。正直、恐くて気持ちの悪い本です。

そしてやはり、桐野作品にはずれはないなあ。というわけで、読み応えのある、濃厚な本で、オススメです。しかし…。物語が短い分、桐野作品の中では、「OUT」「グロテスク」などの大作や、最近の「残虐記」などには、少し負ける感じはします。

だから、桐野作品が分厚いのでなかなか手が出せない、という人に、この本は特にオススメ。この本の恐ろしさや気味の悪さに、心のどこかが「でも、やっぱり読みたい」とささやく人は、上記のような長い作品にも手を出してみるといいと思います。
| か行(桐野夏生) | 16:45 | - | - |
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