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田口 ランディ
幻冬舎 2000-11 |
酷評警報!!!
芸術的でも官能的でもなく、必要性もない性描写が多すぎだってば。こういうのは、好きになれない。
それに、セックスを異常心理と結びつけるストーリーのオーソドックスさには、前作に引き続き冷めました。田口ランディさんって、噂では前衛的な作品を書かれる方だと聞いていたのに・・・。心の欠落を埋めるために、人間は変態になるわけ?フロイトじゃん。古典じゃん。なーんだ、って感じ。
ものすごーく大雑把にまとめると、子供のころに消えてしまった妹を思い続ける兄の物語なんです。そして、兄と妹の特別な絆を描いた本なんです。その絆が、オカルト系というか、スピリチュアル系であるところがちょっと変わった本ではありますが、結局は兄妹愛の物語です。それなのに・・・こんなに性描写が必要ですか?趣味悪〜い。
しかも、妹の失踪事件、というサスペンスに見せかけておいて、最終的にはオカルトでまとめてしまう・・・というのは、私の一番嫌いなタイプのオチで・・・。どうせなら、思いっきり超能力SFかホラーにしちゃえばいいのに。まあ、そのほうがずっと、書き手の技量は求められるので、無理なのかな。
「コンセント」では、まだ、書き手の「感受性の鋭さ」のようなものも感じられたのですが、この本では、その部分すら、書き手の「人間的未熟さ」のように感じられてしまいました。
以上。酷評にて失礼いたしました。これも私の人間的未熟さでございますからして、不運にもお読みになってしまった田口ランディファンの方、広い心でお許しください。