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■ いつもの朝に 今邑彩
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いつもの朝に
今邑 彩
集英社 2006-03

by G-Tools , 2006/06/04





顔のない少年の絵を描き続ける、画家の母。容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能で人気者の兄、桐人。そして、何をやらせても落ちこぼれで、ニキビづらでチビの弟、優太。兄弟がまだ幼い頃に、学者だった父は、事故で亡くなっています。

ある日優太は、子供のころから大切にしていたぬいぐるみの中に、父親からのメッセージを見つけます。「私の真実の姿が知りたければ、福田ヨシと言う人物を尋ねろ」。その言葉どおりに、父親の真の姿を探し始めた優太は、自分たちの家族の秘密を少しずつ知ることになります。優太の、そして桐人の父親の、真実の姿とは?母の絵の中の顔のない少年は誰?母の少女時代におこった悲劇とは?

今邑さんにしてはホラー色が少なく、ミステリー色が濃く、メッセージ性とキリスト教色の強い真面目な本でした。途中でどんでん返しがあったりもして、飽きずに読めました。親子の絆にも、兄弟の絆にも感動しました。テーマもストーリーも暗いんだけど、その中では、最大限にハッピーエンドだと思います。読後感は悪くありませんでした。力作です。

ただ、全体的に、淡々としすぎたかなあ。ストーリー的には、もっとどどっと感動が押し寄せてくるような演出ができなくもないんじゃないかと思うんですけど。お涙頂戴にならなかったことは良かったんだけど、なんとなく物足りないような・・・読者ってワガママなものですよね・・・。

個人的には、作中の「キリスト教」や「聖書」の扱いが、単なる雰囲気作りとして、安っぽく利用されているようなのが、いかにも日本人的で不満が残ります。かといって、「宗教本」になってしまったら、それはそれで読みたくないので・・・つくづく、読者ってワガママだわ・・・。

今邑さん久々の新刊。バセドー病を患っていたとのこと。あれって良い状態にはなっても、完治は難しい、長く付き合っていかなければならない病気ですよね。これからも、体調と相談しつつ、面白い新作を発表して欲しいものです。
 
| あ行(その他の作家) | 22:54 | - | - |
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