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■ 黄色い気球 ローリー・ハルツ・アンダーソン
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黄色い気球
ローリー・ハルツ・アンダーソン 赤尾 秀子
ランダムハウス講談社 2005-09-15

by G-Tools , 2006/05/21





1793年。フィラデルフィア。建国したばかりのアメリカ合衆国の首都だったこの街で、黄熱病が大流行し、人口の1割にあたる5千人もの人が、命を落としました。黄熱病が蚊によって媒介されることはわかっておらず、予防法も治療法も知られていなかった頃のことです。

大統領や議員をはじめ、感染を恐れた住民は、次々に街を出て行きました。郵便配達人は来なくなり、新聞は発行されなくなり、市場は開かれなくなり、食料も、物資も不足します。そんなフィラデルフィアに残された、14歳の少女、マティルダのサバイバルストーリーです。

どんなに絶望的な状況に陥ってもくじけず、自らの手で運命を切り開き、弱き者を守り、希望を持ち続ける。フロンティア・スピリッツと、キリスト教的道徳観の組み合わさった、とてもアメリカの児童文学っぽい、アメリカの児童文学、という感じでした。「若草物語」とか、「大草原の小さな家」シリーズとか、子供の頃に読んだ古き良き児童文学の香りがしました。最近描かれた本だというのは、信じられないくらいの懐かしさでした。

これが史実でなかったら、いい子ちゃんすぎるマティルダにも、予定調和のエピソードにも、冷めてしまいそうな気がします。でも、この小説に描かれた黄熱病の流行が、歴史上の事実であるということの重みがあるので、読者は冷めていられません。感動的でした。ああ、おじいちゃん!

YAとして非常に高く評価できる作品だと思います。幅広い年齢層の人にとって、読みごたえのある本です。
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