CATEGORIES
LINKS
<< ▲ 愛がいない部屋 石田衣良 | main | ■ 黄色い気球 ローリー・ハルツ・アンダーソン >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
● チーム・バチスタの栄光 海堂尊
photo
チーム・バチスタの栄光
海堂 尊
宝島社 2006-01

by G-Tools , 2006/05/21



東城大学医学部付属病院では、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門チーム「チーム・バチスタ」を作り、次々に成功を収めていた。ところが今、三例続けて術中死が発生している。しかも次は、海外からのゲリラ少年兵士が患者ということもあり、マスコミの注目を集めている。そこで内部調査の役目を押し付けられたのが、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口と、厚生労働省の変人役人・白鳥だった…。
面白かったですね〜。素直に、読んでいて楽しい、楽しい。人にオススメできる種類の面白い本でした。でも、いまさら私がオススメしなくても、もうベストセラーですもんね。

1人1人のキャラがたってるし、物語の構成も大胆だし、文章もコミカルで読みやすい。

当初、巻き込まれ型のやる気のない探偵かと思われた田口は、実はワトソン役で、途中から唐突に登場する厚生省役人、マイペースで攻撃的な強烈変人、白鳥がホームズでした。チーム・バチスタの面々は一筋縄ではいかない人々ばかりだし、権謀術数渦巻く院内の人間関係も面白いです。

主役の田口が、「愚痴外来」(正式には不定愁訴外来)の医師ということで、謎解きに向けてのアプローチは、やけに心理学的に行われます。この手の、一歩間違えば鼻につく文章になってしまいそうなところも、愛嬌たっぷりに仕上げているところが上手いですよねー。いわゆるプロの物書きとしての「文章が上手い」というのとは違う物差しなんですけど、絶妙だっ!と、思いました。「バチスタ」なんていう題材を使いながらも、専門用語は最低限に抑えて、エンタメに徹してくれているし。人を不愉快にさせない言葉の使い方を知っている人だと思いました。作家さんは現役の勤務医さんだそうですが、きっと、患者から見ても、いい先生なんでしょうね。

真の探偵、白鳥の登場がかなり遅めだったので、まとまりのない本になってしまうことを心配したのですが、最後まで読んだら、ノープロブレムでした。真の探偵は、引き際も鮮やかで、グッジョブ!って感じ。田口を主役に、綺麗にまとまった作品でした。

個人的には、桐生ブラザーズがツボでした。理屈ではなく、ただただかっこいい!天才外科医だった弟の指を、手術中に傷つけてしまった兄。兄が目を患ったことで、兄に必要とされる存在になった弟。二人三脚の歪んだ関係が起こした、たくさんの奇跡的なバチスタ手術の成功、そして、破綻。この2人は、かなりBL的妄想力というか、創作意欲を刺激してくれる存在でした。私に書く才能があったら、本作ったりしてたかも(笑)

犯人がかなり早いうちにわかってしまい、それに伴って殺害方法もよめてしまう、というところで、「満点」を出せるレベルのミステリーとは言えないのですが。それでも、かなり面白かったです。

新人さんで、この作品かあ。次回作でもこのクオリティを維持するのは、とっても難しいことだと思うけれど、頑張って欲しいです。だって、本当に面白い本だったから!これからも応援します!
| か行(その他の作家) | 23:18 | - | - |
スポンサーサイト
| - | 23:18 | - | - |