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■ ドゥームズデイ・ブック コニー・ウィリス
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ドゥームズデイ・ブック〈上〉
コニー ウィリス Connie Willis 大森 望
早川書房 2003-03

by G-Tools , 2006/05/18





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ドゥームズデイ・ブック〈下〉
コニー ウィリス Connie Willis 大森 望
早川書房 2003-03

by G-Tools , 2006/05/18





再読。以前、読んだときはハードカバーだったはず。今回、文庫版で読み直したら、大好きな恩田陸さんの解説がついていて、そんなことは知らないで買ったのでラッキーな気分。

ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の三大タイトル受賞作ということで、それだけの読み応えはある、面白い本です。タイムトラベル小説ですが、ややこしい設定などはないので、SFファンではない人も、ひとつの物語として楽しめるでしょう。私も堪能しました。いい読書でした。

この本に関しては、たくさんの賛辞がすでに捧げられていることと思いますので、これ以上誉めちぎってもしかたないかな、というわけで、重箱の角をつついてみようかと(笑)

前半を読むのが、けっこうしんどいかもしれません。ストーリー展開が冗長で、なかなか本題に入らない。恐いのはペストだよ、この本はペストの話だよ、と、作者が序盤からけっこうしつこく予告をしているので、読者はずっと「それ」を待ってしまうのですが、「それ」が発覚するのは全体の3分の2あたりまで読み進めてからです。「やっとだよ、もう疲れたよ」って、そんな感じでした。

そこまでの物語、現在でのある疫病の発生とその感染源をたどるすったもんだや、学者同士の醜い争いからくるごたごたが、長い割に、そんなには面白くないんですよね。しかも現在と過去で登場人物が対応するようにできているので、登場人物がやたらに多く、把握するのが大変。もうちょっと上手く、終盤に向けての伏線をはれなかったものかなあ、と、思ってしまいました。

でも、そこまでをしのげば、そこから先の第3部はすごいです。夢中で読みました。ペストがやってきて、愛する人たちが次々に倒れ、なすすべもない中世の人々。最後まで献身的に人々の世話をするローシュ神父。効果的な治療はできないことを知りながら、必死の看病を続ける現代人のキヴリン。

過去の世界は全体として丁寧に描かれていて読み応えがあり、入り込みやすかったです。現在編のコミカルといってもいいくらいの、病気に対する緊張感のなさとの対比で、過去編の絶望感がよりいっそうぐっときます。弔鐘の音が鳴っているのが聞こえるような気がしました。

正直言って、タイムトラベルものとしてはどうという事はない本だと思うのですが、過去編はアウトブレイクものとして、すごい本でした。

そうそう。ダンワージーとキヴリンって、単なる教師と学生の関係なんだよね?ダンワージー先生って、娘か恋人みたいにキヴリンを思っている感じがして、なんとなく違和感があったんだけど、そのあたりはやはり国民性の違いなのでしょうか。
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