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● あやまち 沢村凛
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あやまち
沢村 凛
講談社 2004-04-24

by G-Tools , 2006/05/17

のぞみは29才の独身OL。1人でいても生活を楽しむことを知っている。友達もいくらかはいる。でも、どこかで、そんな日常に退屈していて、恋愛もしたいと思っている。そんな彼女が通勤途中に出会った、タツヤという男性との関係を深めていく、ラブストーリー。

のぞみは、内気で、臆病で、用心深くて、いつも安心したがっています。彼女が考えること、することは、都会で1人暮らしをする女性には当然の安全対策で、賢い自衛だと思います。見知らぬ人には用心して、あぶないことには関わらないように。私は、のぞみの用心深さを行きすぎだとは思いません。でも、多くの「都会で一人暮らしをする女性」は、彼女ほど意識せずに同じことを行っているんだと思います。のぞみは、自衛に神経を使いすぎて、緊張し、疲れて、自分の世界を狭くしている感じがして、大変そうでした。そのままじゃダメだよ、もっと大きくなろうよ、と、思ってしまうような主人公です。

そんなのぞみの恋のお相手であるタツヤは、電話番号も教えてくれないし、定職にはついていないし、引っ越しも頻繁にしているらしい、どこかあやしい男。用心して用心して、それでもタツヤに惹かれて、少しずつタツヤとの関係を深めていくのぞみが、この恋をきっかけに、人間として一回り成長する・・・というような、どっちに転んでもありきたりな恋愛小説なのかな、と、思いながら読みすすめました。もちろんそういう側面もあって、その方面でも、いい本だったのですが、それだけの単純な本ではありませんでした。この本は、サスペンス&ミステリーでもあるのです。

タツヤと出会う少し前から、のぞみの周りには、黒子の男、という謎の人物が出没するようになっています。黒子の男の正体は?のぞみとタツヤの恋の行方は?タイトル「あやまち」の意味は?予想以上に暗い真相です。

人は誰でも「あやまち」を犯すけれど、その中には取り返しのつかない重大な「あやまち」というのもあって、それを抱えてしまった場合、どのように生きていくのが、善なのか。用心に用心を重ねても、やっぱり「あやまち」を犯してしまうことはあって、それはどの程度、悪なのか。「あやまち」について色々な事を考えさせられる、重めの結末でした。

沢村凛さん、「カタブツ」「あやまち」の2冊で、私の好きな作家さんに仲間入り。
| さ行(沢村凛) | 12:02 | - | - |
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