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■ 球形の季節 恩田陸
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球形の季節
恩田 陸
新潮社 1999-01

by G-Tools , 2006/05/10




再読。

谷津、という東北の町は、日本全国どこにでもありそうな、これといって特徴のない田舎町です。そこには4つの高校があるのですが、ある時その高校生たちの間に、「5月17日、遠藤さんが、連れて行かれる。」という奇妙な噂が広まります。4つの高校合同で活動をしている「地歴研」のメンバーが、興味本位で、その噂のルーツを探ろうと調査を始めますが、はかばかしい結果は得られません。そして、やってきたその日、実際に遠藤という女生徒が姿を消します。

続いて流れる別の噂、ひっそりと流行りだした金平糖のおまじない、谷津にいったい何が起こっているのでしょうか?「六番目の小夜子」のような学園小説の色合いを残しつつ、後半は「光の帝国」や「月の裏側」の流れにつながる世界観を感じさせてくれる1冊です。

高校生たちの感じている、自分の未来に対する漠然とした閉塞感や、故郷のに対する愛憎入り混じった複雑な気持ちは、よく描けているんじゃないかな?と、思いました。「地歴研」の活動を中心にすすむ前半は、とても楽しめました。

登場人物それぞれが最後におこす行動の違いには、それまでにしっかりと心情描写がされていたので説得力がありました。それを物語の結末と考えれば、綺麗に終っている本です。それぞれの決断までが描かれ、その後が描かれないこのラストは、余韻が残り嫌いではありません。

でも、「跳ぶ」とか「あの場所」とか「進む」とかいう言葉が、実際には何を意味しているのかわからないので、終盤は面白いとは言えず、そのあたりがあやふやなまま終ったので、そういう意味では、スッキリしないラストでした。謎が大量に残ったまま、別の次元で物語りは終ってしまう、恩田さんのよくあるパターンでした。昔からそうだったんだなあ・・・。
| あ行(恩田陸) | 23:01 | - | - |
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