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● 夏期限定トロピカルパフェ事件 米澤穂信
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夏期限定トロピカルパフェ事件
米澤 穂信
東京創元社 2006-04-11

by G-Tools , 2006/04/18

小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を!そんな高校二年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは“小佐内スイーツセレクション・夏”!?待望のシリーズ第二弾。

「BOOK」データベースより
1作目の「春期限定イチゴタルト事件」が面白かったから読んだのですが、この2作目、小説の構成としては飛躍的にレベルアップした感じがします。すごく良かったです。(ついている解説で絶賛されているので、影響されちゃってはいるんだけど・・・。でも、本当に良かった。)

短編としては、第1話目の「シャルロットだけはぼくのもの」が好きでした。倒叙式の本格ミステリーで、犯人と探偵の息詰まる心理戦を堪能できます。それにしても、これは、私が今までに読んだ中で1番小市民的な倒叙式ミステリーかも。だって、物語の冒頭で行われる「犯行」って、小鳩君がシャルロットを1つ食べたことなんですよ。それをどうやって小佐内さんの目から隠そうか、と、それだけの物語。それがこんなに面白いというのは、さすが、米澤さんです。

そしてこの本は、短編集というより実は長編で、この素敵な短編も伏線にすぎません。この本では、前作から引っ張っている、小佐内さんに何があったのか、小市民を目指しているのはなぜか、が、明らかになります。

最後まで読むと、とにかく「復讐」を愛する小佐内さんが、色んな意味ですごいわ。素敵。お友達にはなりたくないけど、小説にはどんどん登場して欲しい!小鳩君は、完全に負けてますねー。小鳩君は2人の攻防を、武田信玄と上杉謙信なんて言ってるけど、とんでもない。これではまるでルパン対ワトソン・・・。小鳩君って、あえて目指さなくても、十分小市民なんじゃないかなあ。

ラストがかなり意外です。

そんなことはわかっちゃいるけど、しばらくそこにはつっこまず、適当にリラックスして楽しむシリーズなのかと思っていたら、こんなに早く、しかも真正面から、そこにつっこんで行くんだね。意外だなあ。(読了後の人にしか、理解できない文章ですね。)

甘酸っぱいのかと思ったら、ほろ苦いのほうなのね、という感じだった1作目。ほろ苦いのかとおもっていたら、痛いんじゃーん、という感じの2作目。3作目はどうなるのかな?この流れだと、恋愛ものに転んじゃったりするのかな?やっぱり「秋期」はモンブラン?「冬期」はチョコレートあたりでどうでしょう?

とにかく早く続きが読みたい!
| や行(米澤穂信) | 13:19 | - | - |
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