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● さよならの代わりに 貫井徳郎 
4344004906さよならの代わりに
貫井 徳郎
幻冬舎 2004-03

by G-Tools

劇団「うさぎの眼」の看板女優が、上演中に殺害されました。事件と前後して和希の前に現れた、謎の美少女、祐里。和希は、彼女に振り回されながら、彼女と共に事件の謎を追うことになります。しかし、祐里には、なにやら秘密があるようで・・・

という、ミステリーです。また、プロローグの段階で、タイムスリップの物語であるという事もあかされていて、SFとも言えます。私はミステリーも、SFも好きで、その二つが融合したものも好きです。だから、この作品はとても楽しめました。「未来を作るのは現在である」という、単なるSFであれば、ちょっと古く感じられる、気恥ずかしいようなメッセージ性も、ドロドロとした人間関係の中で起こる殺人事件と絡まりあう事で、程よくおさまっています(←ほめてます)。

ラストの50ページぐらいが、本当に秀逸です。そこだけ、何度も読んで、読むたびに感動するほどです。切なくて哀しくて、それでも前向きで、かっこいいラストでした。読者には、かなり早い段階で、祐里がタイムスリップをしていることはわかってしまうのに、その上で、最後にさらに「え!」と驚かせてくれて、感動させてくれるなんて、すごいです。

その割に星が少ないんですけど、その理由は・・・

ここからはネタバレ&私情入りまくり。なので、他の投稿サイトでは切っちゃった、投稿しなかった文章です。





ひとえにこれは、私には、男心の行間は読めなかったから、だと思われます。

主役の僕「和希」は、恋愛に関してはとても生真面目で一途で不器用で、と設定されています。そして、もう何年も報われない片想いを「智美」さんという女性にしています。和希くんは、本当に智美さんが好きで、智美さんとデートできて大喜びしたり、お見合いをすると言われて落ち込んだり、その後もまた悩みを相談したり、事件の間ずっとそうしてるんです。

それでも男心のわかる人なら、和希くんの気持ちが祐里に移っている事なんて、疑いようもないし、はっきり書かれてなくても「当然そうでしょ」ってところなんでしょうね。そのつもりで読んでたら、あのラストは切なくて切なくて、ボロボロ泣けたかもしれません。

でも私は、和希くんが告白するまで、「?」のまま保留にしていました。そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれない、と、思いながら読んでしまいました。普通の小説なら、当然和希と祐里のラブストーリーだよね!と、思うところだけど、これはタイムスリップものでしょう。祐里と和希に血縁関係がある可能性とかも考えちゃったし。

だから、和希くんの告白からラストまで、だと、ページ数的に感情移入するには足りなくて、切なくなりきれなくて残念だった。それで星を1つ減らしました

もう1つの減らした星は、真犯人が途中でわかってしまったから・・・。細かい部分までは、もちろんわからなかったけど、誰かという事と、だいたいこんな動機なんじゃないかって辺りは、全然意外性がなくてね。「こう」と思わせておいて、裏切ってくれるんじゃないか、と、期待しながら読んでいったら「こう」と思ったそのままだったから、びっくりした。ある意味、意外と言えるんでしょうか・・・。それで星が減っちゃいました。

私は、貫井徳郎さんの小説は、この本がはじめてだったのですが、これから、さかのぼって他の本も読んでみようと思います。どうやら、他の本のほうが評判もいいし、私の好みらしいので。
| な行(貫井徳郎) | 23:42 | - | - |
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