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● ビート・キッズ 機Ν供”野潮
4062092492ビート・キッズ
風野 潮
講談社 1998-07

by G-Tools

4062098342ビート・キッズ〈2〉
風野 潮
講談社 1999-10

by G-Tools

学校の吹奏楽部で、パーカッションを担当させられることになって、打楽器の楽しさを知り、ドラムの楽しさを知って、そこからロックやジャズのバンド活動にのめりこむ。まるで、自分の十代そのままをなぞるようなお話で、懐かしく読みました。

わたしが学生のころ、パーカスは、実際に打てば誰でも音が出るから、他の楽器より簡単だと思われていて、すごく悔しかった。

でも、それは大きな誤解です。特にオーケストラや、吹奏楽のパーカッションパートは、ティンパニやシンバル、大太鼓小太鼓といった定番の楽器はもちろん、鍵盤楽器類、小物類各種など。叩くという共通点で1つのパートにまとめられてはいるものの、奏法が大きく違う何種類もの楽器を、演奏できるようにならなくてはいけないのだから、真面目にやろうと思ったら、底知れぬ深みです。

一番簡単といわれている、大太鼓を、乱れずに叩けるようになだけでも、メトロノームを友にして、地味な基礎練習を毎日毎日繰り返さなければなりません。シンバルは確かに打てばなりますが、打ち方で音色が変わるんです。指揮者の指示通りの音をだすのには、センスもですが、あの重い金属を自在に操る筋力がいります。

鍵盤楽器は楽器自体が大きい上に、細かいフレーズを要求されます。どこを叩けば、どの音が出るのか、身体で覚えるしかないのです。それなのに、マリンバ・シロホン・ビブラホーン・グロッケン・チャイム。同じ鍵盤楽器でもそれぞれに楽器の大きさが違い、鍵盤の幅も違い、奏法も微妙に違う。

タンバリンやトライアングルや鈴系の楽器といった小物類は、種類が数限りなくある上に、音色にこだわりだしたらきりがありません。

全国の吹奏楽部のパーカッション担当者の叫びを、この本は拾ってくれていて、嬉しいです。

えーと。私情じゃない、この本の紹介もちょっと書きます。主人公は、飲んだくれの親父と病弱な母親と、難病の妹を持つ、苦労人のアホ、英二。新聞配達して家計を助け、家事の手伝いをして、しょっちゅう行方をくらましたり、賭け事でお金をすってくる父親のかわりに、孤軍奮闘しています。明るくて、いいアホです。

彼の親友になるのが、七生。顔もよく成績もよく、子供の頃から天才ドラマーともてはやされている自信家。父親は資産家で、道楽で楽器屋を開いている、関西吹奏楽連盟のお偉いさん。性格にかなり難があって吹奏楽部の独裁者として君臨している、英二にドラムを教え、英二と友達になって変化して行きます。

上にたくさん書いたことは、私の私情です。この本は、対照的な環境に住む、共に打楽器を愛する二人の友情の物語です。続編、いくらでも出せそうなのに、出ないの。悲しいです。
| か行(風野潮) | 02:02 | - | - |
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