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★ 村田エフェンディ滞土録 梨木香歩
村田エフェンディ滞土録村田エフェンディ滞土録
梨木 香歩

角川書店 2004-04-27

歴史に忘れ去られた
青春よ、
目覚めよ。
語れ。
国や主義や民族を越えた
遥にかけがえのない
友垣への道すじを。

帯より
あ、これは「摩利と新吾」だな。ねえ?
このネタがわかった人は、中年であるか、オタクであるか、その両方か、ですよ(笑)。

それはそれとして。
この本は、もう、大好きです!

百年前、オスマン帝国末期のトルコに留学した、村田君の滞在記です。
基本的には、村田君の日常を、淡々とした筆致でつづった、地味な本。
私は古代中東史にも、近代日本史にも、興味があるので、楽しかったです。

村田君の下宿先には、世話好きの敬虔なキリスト教徒、ディクソン夫人、
村田君と同じ考古学者の、合理主義者で1番現代人っぽい、ドイツ人の、オットー、
なにやら退廃的な雰囲気をかもし出し、人々と距離を置くギリシャ人、ディミィトリス、
「奴隷」として働いている、現地のムスリム、ムハンマドといった、
国際色豊かな面々が同居しています。
さすが、西と東の出会う場所、トルコです。
彼らが、宗教や政治や国民性の壁を越えて、時にぶつかりながらも、
敬意を払いあい、友情をはぐくむ姿が、温かくて素敵でした。

主人公の日本人、村田青年の、生真面目すぎるキャラクターも最高です。
トルコの街中にいる、たくましいニワトリを見て、
来たばかりの頃は、この鶏達を見るたびに、ここにも学ぶべき師のあることを思ったものだった。これからの世、日本が西洋に伍してやってゆくためには、もっと自分というものを押し出してゆかねばならぬ。この西洋を眼前にした地において、自分がその術を学び、日本に持ち帰ることもまた、自分の為すべき務めと、心ひそかに任じていたのだが、その確信も心許なくなった。どうも私はその任に適当でないようだ。
ディミトリスに、苦手な乗馬に誘われると、
ここで断って日本人は馬にも乗れない、などという印象を与えるのは好ましくない。そうなっては国辱ものだ。
全部、本気だからおかしい。
村田君は武家の生まれで、この時代に留学するくらいですから、
基本的に、おっとりした、おぼっちゃんなんですよね。
おぼっちゃんが、日本男児として異国で頑張る姿が・・・かわいい&かっこいい!

忘れてはいけないキャラクターとして、
すごいタイミングで絶妙なセリフをはく、鸚鵡という存在も最高でした。

ラストが、ほんっとに良かったです。もう、大好き。
ぐっときたというか、きゅんとなったというか。
切ないです。鸚鵡の最後の言葉が泣ける。もう、大好き。(しつこい?)
私は人間だ。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない・・・
| な行(梨木香歩) | 00:02 | - | - |
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