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● シリウスの道 藤原伊織
4163240209シリウスの道
藤原 伊織
文藝春秋 2005-06-10

by G-Tools

面白かった!楽しかった!

シリウス、そして幼馴染の初恋の人、といえば「星の瞳のシルエット」だよなあ、と思ったのは私だけでしょうか。ああ、懐かしの香澄ちゃん。そして久住くん。思いっきり年のばれるネタですね。やめよう。

広告代理店の営業部副部長・辰村祐介には、大阪で過ごした子供時代に、明子、勝哉という友達がいました。3人は、決して人には言えない、ある秘密を共有しています。25年間、連絡を取り合うこともなく、それぞれの月日が過ぎました。ある日、明子のもとにその秘密をもとにした脅迫状が届き、辰村は明子と、また勝哉と再会する事になります。いったい誰が何のためにこの脅迫状を送ってきたのでしょうか?

上に書いたようなミステリー部分が主軸で、それに広告業界の内幕が絡む構成のはずなのですが、どうにも広告業界部分に重点が行ってしまって、ストーリーがぶれてしまった、という所で、小説の完成度とかいう話をすれば、絶賛はできません。読み終わったとき、「ミステリーだったよね?謎ってなんだったっけ?」と、思ってしまいましたから。

でも、業界小説・企業小説の部分が、すっごく面白かったんです。新規ネット証券会社の広告を競うプレゼンに向けて、辰村と部下たちが仕事を進めていくのですが、その様子が専門用語をまじえて詳しく描かれて興味深い。次から次に障害が立ちはだかって、ちょっとしたプロジェクトX風でした。

エリートサラリーマンとハードボイルドの両立という、離れ業をやってのけている主人公・辰村をはじめ、社長から契約社員まで、登場人物がみんな個性的。営業部のメンバーは、一人一人のキャラがたっていて、有能なのに性格が良くて、みんなを好きになりました。政治家の息子である辰村の部下・戸塚青年の涙には、もらい泣きしそうになりましたし、美貌の上司・立花英子が辰村を口説くのも一興でした。立花さん、かっこいいよなあ。

色んな意味で、男のファンタジー全開の本なんですよね。それに、ミステリー部分のストーリーは、超有名なあの小説とかぶってますし。冷静に考えたら、私はこの本は好きではないはずなのですが・・・。

おかしいなあ。かなり好きです。だって辰村がかっこいい。いえ、もちろんそれだけではなく。

冷静になる間もなく、ページをめくらせる力のある本だったんでしょうね。とにかく理屈ぬきで面白かった。読んでいる間楽しかったし、読み終わったら爽やかだった。ハッピーエンドとは言えないので、このラストを爽やかと言うのは不適切かもしれませんが、やっぱり読後感としては、爽やか、の一言。いい読書でした。ちょっと遅いけど、オススメ。
 
 
 
追記:

e-hon 藤原伊織さんのインタビュー記事
http://www1.e-hon.ne.jp/content/sp_0031_fujiwaraiori.html

ご病気なんですよね。写真が痩せていて切ない。がんばって!
| は行(藤原伊織) | 10:23 | - | - |
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