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▲ 一週間のしごと 永嶋恵美
4488017207一週間のしごと
永嶋 恵美
東京創元社 2005-11-29

by G-Tools

悪いってほど悪くはなかったし、嫌いでもないんですけどねー。高校生活の描写などは、学園もの好きの私には、楽しい本だったんですけどねー。けどねー。

どこもかしこも、不自然な本でした。設定にも、ストーリーにも、キャラクターにも、各キャラクターの心情も、まったくリアリティがないんです。小説なんですから、すべてリアルでなければならないとは言いません。でも、どこかは押さえておかないと、違和感がつきまとっていつまでも小説に入り込めないし、楽しめないものですね・・・。

この小説で、唯一リアリティが感じられるのは、携帯電話やパソコンの機能に関する描写だったりします。でも、これはあっという間に古くなる情報である事が確実。むしろこういう部分はあまり詳細に書かないほうがいいんじゃないのかなあ。(まあ、これは余計なお世話か・・・)

高校生の菜加は弟と二人暮し。天真爛漫で、猪突猛進、拾い癖のある菜加の突拍子もない行動の後始末は、いつも幼馴染の隣人、恭平の役目です。今回菜加が拾ってきたのは、人間の男の子。大事なテストを一週間後に控えた恭平は、また菜加に振り回されることになります。

子供の二人暮しという設定も、幼馴染の関係も、無理があるというか、少年マンガか少女マンガみたいで違和感バリバリなんですけど、まあとりあえずいいことにしましょう。

小さな子供を拾ってくる。その子が集団自殺事件の関係者だとわかっても、警察が嫌いだから届けない。水戸まで授業中の恭平をよびつける。などなど、菜加のワガママすぎる性格も行動も意味不明ですが、とにかく変人キャラなんだね、ということで一度は了解しました。ところが、菜加は、途中からすっかり影が薄くなり、前半のストーリーの推進機関の役割を果たしていただけだということが、あからさまになってしまいます。これは、さめます。

それに、常識人で頭もいいはずの恭平が、なんで菜加にここまで振り回されるのか・・・。菜加に恋愛感情があるのかな?と思いながら読み進めると、そういう描写はいっさいないし・・・。恭平の一人称小説なのに、恭平の気持ちや行動が、全然納得できないんです。

忍という恭平の友人も、重要な登場人物なのですが、彼のやっている事も考えている事も、肝心な部分が最後までよくわからなくて、説明不足だなあ、と、思いました。

一事が万事この調子で、登場人物の誰にも共感できなくて、物語を作っている作者の姿ばかりが透けて見えて・・・。「なんなんだ、これは。」と、あちこちで思いながら読み進めて、読み終わってもう一度、「なんなんだ、これは。」と、思った。そんな本でした。

あ、思いのほか酷評になってしまった(^_^;)
| な行(その他の作家) | 14:22 | - | - |
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