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★ 博士の愛した数式 小川洋子
410401303X博士の愛した数式
小川 洋子
新潮社 2003-08-28

by G-Tools

事故で記憶力を失った老数学者と、彼の世話をするために雇われた家政婦母子のふれあいの物語。

博士は脳に、博士の義姉は足に障害があります。主人公は男に逃げられたシングルマザー。不幸の要素はたくさんあって、暗い話になりそうなのに、この本はそうはなりません。透明感があって、優しくて、素敵な物語です。

後味が非常にいいのは、最後の数ページのおかげだと思います。彼らが生活を共にした期間はとても短かったけれど、その後もずっと彼らのふれあいは続いていきます。なんとなく続いていくわけではなく、努力によって続けられていくんです。施設に入所した博士を、母子はその後何年も定期的に訪問し、そのたびに自分たちの事を覚えていない博士との友情を結びなおし続けるのです。

友達は大切に。そんなあたりまえのことを、本当にやっている人が、どれだけいるだろうか、と考えさせられました。

この本はあちこちで、推薦図書や、読書感想文の課題図書などになっていましたね。人間ドラマとしてすばらしいので当然といえば当然ですし、学校の先生や親が、子供に勉強好きになってほしくて、この本を読ませようと思う、というのはわかります。博士の数学に対する愛はとても崇高なものに思えたし、博士が語る数学の魅力や美しさには、一瞬(ほんの一瞬(笑))、私も数学って好きかも、と、思ってしまいましたから。でも、若い人には、「課題」だから無理やり読む、という読み方をして欲しくない本でした。感想を書くために読んだら、きっとこの本の魅力は、半減してしまうのでしょうから。
| あ行(小川洋子) | 20:37 | - | - |
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