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■ 福音の少年 あさのあつこ 
4048736310福音の少年
あさの あつこ
角川書店 2005-07-20

by G-Tools

舞台は、田舎の小さな温泉町。十六歳の明帆は、同級生の藍子とつきあっていますが、本当は他人に関心がなく、優等生の仮面をかぶって生活しています。そんな明帆の、唯一気にかかる存在が、藍子の幼馴染・柏木陽。柏木には明帆の真の姿が見えているようで、柏木にとっても明帆は気になる存在です。

藍子が明帆に別れをつげたその日、母親とケンカをしたと、陽が明帆の家にやってきます。その間に、藍子と陽の住んでいたアパートは火事で全焼。藍子は焼死体で発見され、陽は、家族と家を失います。二人は火事の後かかってきた電話から、これが単なる火事ではないことを知り、真相を探りはじめますが・・・。2人に近づく、謎の巨大な敵の正体は?藍子の裏の顔とは?危険な秘密を知った2人の運命は?

サスペンスとしては、なかなか面白かったです。読んでいる間中、ドキドキハラハラしました。それに、主人公2人も、藍子も、魅力的なキャラクター。あさのあつこさんお得意の、思春期の不安定さと、残酷さと純粋さが、3人3様に描かれていて良かったです。もっと長い本にしても、いいくらいだと思います。まだまだ彼らの事を知りたい、もっともっと描いて欲しい、その先を教えてくれ!・・・と思わせるような本でした。

でも・・・何をしたいのかよくわからない本だったんですよね・・・。ただのアパート火災の謎を解くミステリーを楽しめばいい、という本ではないのはわかるんです。文章がやたら文学的ですもんね。「バッテリー」や「No.6」と違い、テンポを犠牲にして文学してます。だったら・・・あさのさんは何を描きたかったのでしょうか。

「10代という若さにこそ存在する心の闇を昇華した作品」で、あさのさんが「本当に書きたかった作品」というふれこみなのですが・・・。それにしては、終盤があっけなさすぎやしませんか。

3人の若者の心の闇を描いたのは、わかります。破壊衝動、破滅願望、孤独と絶望。でも、別に昇華なんてしてないよね・・・。

それに、これを、ある種の若者には「ありがちなもの」として描いたのであれば、あさのさんの描きたい事を、理解できる気がする。でも、この作品では、主人公2人は「特殊な若者」として描かれているんですよね。彼らは特別な理由もなく、はじめから「そういう若者」なんです。

だったら、この作品は、何を言いたかったんだろう・・・。孤独な魂のふれあい?大人たちの腹黒さ?腐女子向けBL?(だって、実は一番深い闇を抱えていそうな、藍子の内側には、全然頓着せずに終わるんだよ・・・。びっくりだよ。)

全部違うんだろうなあ。読み取れなくて、すみません。
| あ行(あさのあつこ) | 17:09 | - | - |
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