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● 影踏み 横山秀夫 
439663238X影踏み
横山 秀夫
祥伝社 2003-11

by G-Tools

主人公は“ノビ師”の真壁修一。空き巣ではなく、夜、人が寝ている家に忍び込む泥棒。

基本はハードボイルド。でも、修一は、亡くなった双子の弟を自分のうちに宿しており、会話をする事ができる、というファンタジックな設定もあります。横山さんには珍しいですよね。

弟の名前は啓二。19歳のまま成長しない啓二には、天才的な記憶力があります。修一と啓二が遭遇する様々な事件を描いた、哀しい哀しい、連作短編集です。

修一と啓二は高校生のときに、久子という女性をめぐり、三角関係にありました。久子が選んだのは修一。それをきっかけに啓二は、受験勉強を投げ出し、家を出、空き巣として警察から追われる身になり、最後は将来を悲観した母親に殺されます。無理心中です。火をつけられ燃える家の中から、二人を救おうとした父親も、その時に死んでいます。その時から、修一は内耳に啓二を宿しているのです。

と、いうような過去と事情があるにも関わらず、基本=ハードボイルドが一切崩れていないのがすごいです。お涙頂戴の臭いが、まったくしない。くさかったり、こっぱずかしかったり、全然しない。哀しい哀しい小説なんですが、あくまでも、ハードボイルド小説の「哀愁」の域を出ていないんです。すごいなあ。うまいなあ。ジャンルにこだわらずに本を読める方には、これは、かなりオススメの本です。

短編として印象に残ったのは「抱擁」「遺言」。「使徒」も素直によかったです。
| や行(横山秀夫) | 00:11 | - | - |
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