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■ ロックンロール七部作 古川日出男
4087747875ロックンロール七部作
古川 日出男
集英社 2005-11

by G-Tools

この本は、ロックンロールの壮大な世界史です。第一部から第七部までで、きっちり七つの大陸を網羅して、ロックンロールの誕生と、それぞれの大陸で爆発的な広がりを見せる過程を描いています。グローバルで、パワフルです。「ベルカ、咆えないのか?」で20世紀を、軍用犬の視点から、戦争の世紀として描いて、私の度肝を抜いてくれた古川さん。今度もパワープレーでやってくれました。

「ベルカ、吠えないのか?」が好きだった人は、間違いなく好きだと思います。「ベルカ、吠えないのか?」に比べれば「ロックンロール七部作」のほうが、ポップでライトで読みやすいです。でも、物足りないという事はないと思います。一つ一つの章が長編小説に出来そうなくらい、深みも重みもあるのに、淡々とした筆致でぎゅっとまとめてくれて、テンポが速く飽きません。

個人的にありがたかったのが、カタカナの名前があまり登場しなかったこと。「この物語のルール」として、翻訳できる名前は翻訳してくれているのです。たとえば「クラウディ」という名の人は「曇天」と表記されています。とにかく登場人物が多いので、これはとても助かったし、民族神話的な独特の雰囲気作りにも役立っています。古川さんの、あの独特の文体にしっくりと合っています。

語り手は、二十世紀のいちばん最後に誕生した記念碑ベビー「あたし」。聞き手は凍りついた「彼」。この2人が登場するのは、ラストの第0部です。第0部を読んでから、また再読するのも一興かと。
| は行(古川日出男) | 00:57 | - | - |
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