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▲ 真夜中の神話 真保裕一 
416323330X真夜中の神話
真保 裕一
文藝春秋 2004-09-14

by G-Tools

主人公の章子はアニマルセラピーの研究者。乗っていた飛行機が墜落し、インドネシアの山奥で、自治権を守って暮す小さな村の人々に助けられます。章子は、後で医者も驚くような、驚異的な回復をして、奇跡的な生還を果たします。章子は、その回復を村で聞いた少女の歌のおかげではないかと考えます。

いっぽうその事故と前後して、インドネシアでは連続殺人事件が起き、2人の刑事がその事件と吸血鬼伝説の関連性に気がつきます。この殺人事件の真相を、章子、章子の友人で製薬研究者の桐生、神父のダーマン、新聞記者のグッツォーニ、など様々な人々が様々な思惑で、追うことになります。

終盤の怒涛の展開は、意外性もあって面白かったです。ハラハラドキドキさせてもらいました。ただ・・・

リアリティはないです。そもそもアニマルセラピーの研究者なんていう特殊な職業の人間が、たまたま航空機事故の奇跡の生還者になり、たまたま問題の村に助けられる、なんてご都合主義からはじまるのですから。でも、問題はそこだけではなくて。

奇跡、癒し、アニマルセラピー、ミュージックセラピー、製薬会社内の出世競争、吸血鬼伝説、インドネシアの国情、宗教の分裂、呪術師ドゥクン、ファンダメンタリスト、カトリックの内部抗争、などなどなどなど・・・。きわどいネタ、うかつに触れてはいけないようなネタを詰め込みすぎです。どんどんリアリティが薄れ、何に焦点を絞って読んだらいいのかわからず、集中できませんでした。

奇跡的な歌を持つ少女の物語と、夫と娘を亡くした章子の再生の物語というのが、この本の交錯する2つの柱だと思うのですが。殺人事件と、宗教ネタのクローズアップで、本筋がわけわからなくなってしまった本です。そのせいで、中盤がだれて、全体的にまとまりのない印象。

真保さんに限って、取材不足という事はないんだろうと思うけれど、どのネタも浅くしか扱えていないので、そういう印象を受けてしまいました。真保さんらしくないですよね・・・。ちょっと残念。
| さ行(真保裕一 ) | 19:05 | - | - |
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